1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452285
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鈴村 暁男 東京工業大学, 工学部, 助教授 (80114875)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 邦夫 東京工業大学, 工学部, 助手 (70226827)
恩澤 忠男 東京工業大学, 工学部, 教授 (10016438)
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Keywords | 超伝導 / セラミックス / 拡散接合 / インサート材 / 臨界温度(T_C) / 臨界電流密度(J_C) / X線回折 / 示差熱分析 |
Research Abstract |
酸化物系超伝導材料のうち、臨界温度T_Cが90K級のYBa_2Cu_3O_<7-X>系超伝導材料は、最も一般的であり実用化が期待されている。実用化に際しては、材料の成形加工及び接合技術が不可欠であるが、接合技術についてはこれまでほとんど報告されていない。 本研究では、まずセラミック高温超伝導体を作製し、得られた超伝導体同士の拡散接合を行った。接合継手に対しせん断強度試験・組織観察及びX線回折試験等を行った。また示差熱分析により、接合界面に挿入した銀及び酸化銀インサート材の酸素解離現象を把握し、超伝導特性評価結果と比較して、インサート材中からの元素の拡散が超伝導特性に及ぼす影響について検討した。 以下に、本研究によって得られた主な結果をまとめて記す。 1.示差熱分析装置での熱分析結果によると、超伝導体に添加した酸化銀は、約350℃付近で酸素を解離していた。酸素欠損量の大きいYBCOは350℃付近で重量の増加が見られ、酸化銀から解離した酸素が超伝導体に取り込まれている可能性が高いことが示唆された。 2.酸化銀添加超伝導体と銀添加超伝導体の焼結後のペレットの収縮量を測定した結果により、酸化銀中の銀が超伝導体の密度の向上に寄与していることが示された。 3.接合界面近傍のX線回折結果から、インサート材として使用した酸化銀が接合時に酸素を供給することにより超伝導組成の維持に寄与していると判断された。従って、接合を考える上では添加剤あるいはインサート材としては銀よりも酸化銀の方が適していると考えられる。 4.接合部のX線回折結果によると、接合時における超伝導相の破壊は最大でも接合界面から0.3mmあたりまでであり、インサート材を拡散させることにより、超伝導特性を損なわずにセラミック高温超伝導体の拡散接合が可能である事が示された。
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