1992 Fiscal Year Annual Research Report
NMRによるc-myc蚕白質-DNA相互作用の研究
Project/Area Number |
04452304
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
上杉 晴一 横浜国立大学, 工学部, 教授 (70028851)
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Keywords | NMR / c-myc / タンパク質 / DNA / がん遺伝子 / 構造 / 遺伝子工学 / 相互作用 |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞のがん化に関係する正常細胞遺伝子c-mycの発現産物であるタンパク質(Myc)のDNA結合領域と、その認識DNAオリゴマーとの相互作用をNMRにより解析し、その認識機構を分子レベルで解明することである。今年度は、MycのDNA結合領域の大量発現系を構築することを主な目標とした。Mcyはその354番のバリンから439番のアラニンまでの領域に、塩基性領域-ヘリックス・ループ・ヘリックス-ロイシンジッパーというモチーフを有し、この部分がDNA結合に必須であることがわかっているので、この領域のペプチド(Myc354ペプチド)を大腸菌を用いて大量生産する系について検討した。まずヒトc-mycのcDNA上の対応するDNA領域を、適当なプライマーを用いたPCR法により増幅した。次にこの遺伝子DNAを用いて、Myc354ペプチドの発現プラスミドベクターを2種類構築した。まず最初に、プロテインAとMyc354ペプチドとの融合タンパク質の発現ベクターを構築した。この発現系の利点は、融合タンパク質をIgGセファロースを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより容易に精製することができることである。そして次にヒスチジン6個からなるオリゴペプチドとMyc35マペプチドとの融合タンパク質の発現ベクターを構築した。この系の利点は、融合タンパク質をニッケルキレートを用いたアフィニティークロマトグラフィーにより容易に精製することができることである。これら2種類の発現ベクターにより大腸菌を形質転換し、Myc354融合タンパク質の生産を試みた。しかしながら、目的とするMyc354ペプチドの生産は確認されなかった。現在、プロモーター及び遺伝暗号などを変えて発現効率の改善を検討している。
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