1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04452310
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
菅井 秀郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (40005517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 圭二 名古屋大学, 工学部, 助手 (20227888)
豊田 浩孝 名古屋大学, 工学部, 講師 (70207653)
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Keywords | ボロニゼーション / ボロンコーティング / デカボラン / ジボラン / 酸素ゲッタリング / 水素リサイクリング / 核融合 / 不純物 |
Research Abstract |
通常、ボロニゼーションを行うには極めて有毒で爆発性の高い気体、ジボランを用いるので、法的規制をクリアする周到な安全対策を施す必要がある。我々はジボランの代わりに、安全で取り扱いの簡単なデカボラン(固体)を用いる方法を提案した。 この方法は原研のJT-60U装置で採用されることに決まり、その実験に合わせて次の準備研究を精力的に進めた。 (1)固体デカボランを加熱し昇華させ、低温でも圧力を容易に制御できることを確認した。 (2)デカボランをヘリウムで希釈してグロー放電を行い、コーティングされるボロン膜の成長速度や膜の元素組成を調べた。 (3)大型トカマクを念頭において、ボロン膜を均一にコーティングする方法を検討した。その結果、理論・実験両面から、膜圧分布のスケーリング則が見出された。また、パルス放電を用いれば、均一なコーティングを行えることを実証した。 (4)デカボランによるボロニゼーションの後に、重水素ガスのパルスグロー放電を行って水素リサイクリングを調べたところ、ジボランによるボロニゼーションと同等の良好な結果が得られた。 (5)デカボロンによるボロニゼーションの後に、ヘリウム希釈の酸素ガスのパルスグロー放電を行って、酸素ゲッタリング効果を調べた。その結果、ジボランによるボロニゼーションに比べて遜色ないデータが得られた。 これらの基礎データをもとに、平成4年8月と9月にJT-60Uのボロニゼーションが実施され、画期的成果が得られた。さらに、グラファイト壁のデータや熱分解による膜の堆積、膜中の水素含有量と壁温との関係などの基礎研究を進めている。
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[Publications] M.Yamage,T.Ejima, H.Toyoda,H.Sugai: "In Situ Boron Nitride Coating and Comparison with Existing Boronizations" Journal of Nuclear Materials. 196-198. 618-621 (1992)
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[Publications] H.Sugai,M.Yamage,Y.Hikosaka,T.Nakano,H.Toyoda: "Plasma Assested Surface Modification and Radical Diagnostics" Journal of Nuclear Materials. (1993)
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[Publications] 菅井 秀郎: "核融合炉第一壁のin situコーティング" 核融合研究. 67. 12-29 (1992)