1994 Fiscal Year Annual Research Report
大型プラズマ実験装置における水素の超透過現象に関する研究
Project/Area Number |
04452326
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
東 邦夫 京都大学, 工学部, 教授 (30026017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秦 和夫 京都大学, 工学部, 助教授 (70109023)
藤田 治之 京都大学, 工学部, 助手 (90026039)
図子 秀樹 京都大学, ヘリオトロン核融合研究センター, 助教授 (20127096)
高木 郁二 京都大学, 工学部, 助教授 (20206717)
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Keywords | 超透過 / 重水素 / 拡散 / プラズマ誘起透過 / ニッケル / 捕捉現象 / プラズマ対向壁 / 照射損傷 |
Research Abstract |
前年度に続き、プラズマ誘起超透過現象と、照射損傷への水素同位体の捕捉挙動に関する実験を実施し、3年間にわたる研究の総括を行った。 プラズマ誘起透過現象に関する実験では、小型のrfプラズマ装置を用いて、ニッケル、鉄、銅、アルミニウム、ニオブ、パラジウムなど、各種金属中を透過する重水素の、定常状態での流量に及ぼす温度の影響を系統的に調べた。その結果、ニオブとパラジウムに顕著な超透過現象が観察された。ニオブは高温になるにつれて透過流量が増大するという、一般的な傾向を示したが、パラジウムは温度の低い方が透過しやすいという興味深い結果を得た。既に、非定常状態も含めた透過挙動を記述するモデルを一昨年度に導いているので、これらの金属における透過挙動を説明することができた。 捕捉現象に関する実験では、イオン照射した銅中に捕捉される重水素の深さ方向分布を、ヘリウム3との核反応を用いてその場観察した。昨年度までに実施した、ニッケルや鉄について得られた結果と比較すると、銅中には損傷によるトラップが生成し難いことや、そのポテンシャルは浅いこと、また、試料を焼鈍しない場合には、圧延時に導入された転位によると考えられるトラップが支配的であことなどが明らかになった。これらの実験により、構造材料の基本構成元素である、鉄、ニッケル、銅中の照射損傷への水素同位体の捕捉挙動を定量的に把握し、プラズマ対向壁中のトリチウムインベントリを評価する上で重要なパラメータを得ることができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ikuji Takagi: "Observations of deuterium trapping in nickel irradiated by 3He." Journal of Nuclear Materials. 191-194. 1313-1317 (1992)
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[Publications] Ikuji Takagi: "Diffusive Behaviors of Deuterium in Nickel under Irradiation of Helium-3." Journal of Nuclear Science and Technology. 29. 947-956 (1992)
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[Publications] Ikuji Takagi: "Depth profiles of trapped deuterium in nickel bombarded with helium-3." Journal of Nuclear Materials. 200. 223-228 (1993)
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[Publications] Ikuji Takagi: "A combined technique of nuclear reaction analysis and plasmadriven permeation for a quantitative study on deuterium trapping." Nuclear Instruments and Methods in Physics Research. B84. 393-399 (1994)
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[Publications] Ikuji Takagi: "Deuterium Plasma-Driven Permeation in Heliotron E during Discharge Cleaning and in a Small Plasma Device." Fusion Technology. 25. 137-146 (1994)
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[Publications] Ikuji Takagi: "Observations of trapped deuterium in nickel bombarded with 3He and hydrogen ions at an elevated temperature." Journal of Nuclear Materials. 212-215. 1411-1415 (1994)