1992 Fiscal Year Annual Research Report
UNO‐CI法による不安定分子系の周波数依存超分極率および励起状態の理論的研究
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04453002
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 兆 大阪大学, 理学部, 教授 (80029537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 浩 電気通信大学, 自然系, 助教授 (00000860)
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Keywords | UNO‐CI / UNO‐CASSCF / 周波数依存超分極率 / ケイ素化合物 / ゲルマニウム化合物 |
Research Abstract |
本研究目的を達成するために新規に購入したワークステーション等は順調に稼働しており、ハード面では当初の目的を達成している。 一方、研究の進展状況については以下の通りである。まず、本年度はスピン非制限ハーリー・フォック(UHF)法を基礎とするポストHF計算とUHF自然軌道(NO)を基底とするスピン制限型のポストHF計算の比較検討を実行した。例えば、前者の方法の代表として、QCISD(T)法を、後者の方法としてMRSDCI法を例にすると、前者はサイズコンシステントであるのに対して、後者はそうでない欠点があることが判明した。その結果、三重項メチレン間の有効交換相互作用を両方法で計算すると、前者ではその値は負で距離の増大と共に零に近づくが、後者では途中で符号が逆転することがおきることがわかった。この原因は後者の方法では一重項状態が分子間距離の大きい領域で正しく記述されないことによる。この欠点を改良するために、MRSDI法に修正を加えて、サイズコンシステントによる手法を考案し、現在アルケミ-2プログラムにくみ込む作業を行っている。この点は来年度への課題である。 周波数の依存の超極分率に関しては非常に大きい基底関数を使用したCPHF計算をケイ素およびゲルマニウム化合物に適用し、これらの化合物系では炭素系化合物と比較して、数倍大きい二次超分極率が得られることを示した。今後、この方面ではより大きいサイズの分子系への展開が問題となっている。 以上、本研究の初年度としては、当初目的としたハードおよびソフト面の充実に関して満足すべき成果が得られたと判断している。来年度には種しゅの化学的に重要な系への展開が可能になると言える。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] K.Yamaguchi et al.: "Mo Theoretical Studies of Magnetic Intercations for Clusters of Nitrony1 Nitroxide and Related Species" Chem.Phys.Lett.190. 353-360 (1992)
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[Publications] K.Yamaguchi et al.: "Theoretical calculations of effective exchange integrals between nitrony1 nitroxides with donor and acceptor groups" Chem.Phys Lett.191. 237-244 (1992)
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[Publications] K.Yamaguchi et al.: "Theoretical studies of CT ferromagnets and Ferrimagnets:Metallocenium‐TCNE complexes" Mol.Cryst.Liq.Cryst.218. 229-234 (1992)
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[Publications] T.Yoshida et al.: "Ab initio calculations of nonlinear optical properties of silicon compounds" Mol.Cryst.Liq.Cryst.217. 71-76 (1992)
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[Publications] T.Tsunekawa et al.: "Ab initio molecular orbital study of nitrogen‐containing polymers with donor‐acceptor substituents" J.Phys.Chem.96. 10268-10275 (1992)
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[Publications] M.Okumura et al.: "Theoretical studies of magnetic orderings in the β‐and γ‐phases of p‐NPNN and related species" Mol.Cryst.Liq.Cryst.(1993)
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[Publications] K.Yamaguchi et al.: "Theoretical and general aspects of organic peroxides in “Organic Peroxides"" W.Ando Ed.,John Wiely & Suns Ltd, 845 (1992)
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[Publications] K.Yamaguchi et al.: "Theoretical study of organic magnetisms in “Computer Aided Innovation of New Materials"" Eds.M.Doyama et al.,Elsevier Science Pub., (1993)