1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04453004
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
金子 克美 千葉大学, 理学部, 教授 (20009608)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 考臣 千葉大学, 理学部, 助手 (20196835)
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Keywords | 相転移 / 分子集団 / 二酸化硫黄 / 活性炭素繊維 / 吸着 / 吸着熱 / ミクロポアフィリング / サブナノ細孔 |
Research Abstract |
サブナノ細孔中に吸着した分子集団はバルク分子系とは異なる相を形成する可能性があるので、in situ 熱量測定と固体側の電子状態変化測定から研究を行なった。双子型高感度熱量計の試作を行ない、分子吸着用高真空システムを付加し、in situ条件下での微小熱量測定を可能とした。微小熱量測定ができるようになったので、室温におけるサブナノスペース中での分子集団相転移実験に移った。 試料系としては極めて大きなサブナノスペースを持っているミクログラファイト性炭素である活性炭素繊維(ACF)およびSO_2を使用した。ACFとしては、細孔径の異なる3種類のピッチ系ACFを用い、参照用にノンポーラスカーボンブラック(NPC)を使用した。 まずACF類のミクロ孔構造を77Kにおける精密窒素吸着測定から決定した。ミクロ孔容積、表面積、スリット型細孔の細孔径をα_S-プロットから決定した。 これまで吸着熱測定した細孔径0.75nmのACFおよびNPCへのSO_2吸着に関して報告する。 303KにおけるSO_2吸着等温線およびSO_2吸着熱測定を行ない、サブナノスペース中におけるSO_2分子集団構造形成を検討した。サブナノスペースを持たないNPCでは、微分吸着熱になんら異常が認められず、バルクSO_2の凝縮熱(25kJ/mol)とほぼ同じである。 ところが、ACF系においては、微分吸着熱が充填率0.1%以下のところで大きく、その後35kJ/molと一定となる。 更に、充填率が0.7%を越えると、20kJ/molものジャンプを生じる。 この結果は極めて重要である。吸着初期の高い吸着熱は僅かにある表面官能基への化学吸着、中途の一定領域はミクロ孔場によるSO_2吸着強調による。 高充填率におけるジャンプはサブナノスペース固有のSO_2分子集団構造形成に由来すると見られる。 特に熱量変化が大きいので、非常に強いミクロ孔場でバルク相の結晶とは違う特別なSO_2分子集団構造が形成されていると考えられる。 このようなSO_2分子集団構造形成をサイズの異なるサブナノスペースを持つACFについて、さらなる検討を行ない、研究目的を遂げる予定である。固定側の電子状態変化については、カーボンの電子状態に鋭敏な電子スピン共鳴法を導入して、吸着熱測定と相補的な精報を得て、本題に迫る予定である。電子スピン共鳴装置を購入後、現在吸着装置との連結を図っているところである。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Kaneko: "Intrapore field dependent micropore filling of supercritical N_2 in slit-shaped micropores." J.Chem.Phys.98. 8705-8711 (1992)
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[Publications] Z.M.Wang: "Mixed valence oxide-dispersion induced micropore filing of surpercritical NO" J.Phys.Chem.96. 10917-10922 (1992)
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[Publications] K.Kaneko: "Origin of superhigh surface area and microcrystalline graphitic structures of adtivated carbons" Carbon. 30. 1075-1088 (1992)