ゼオライトの不整構造の解析と活性発現との相関性の研究

1994 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 04453007
• Research Institution: Toyohashi University of Technology
• Principal Investigator: 堤 和男 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (00013178)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 松本 明彦 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (90239088)
• Keywords: ゼオライト / 構造不整 / 吸着 / 吸着熱 / 細孔構造

Research Abstract

ゼオライトはその特異な細孔構造を利用して、触媒、吸着剤などに広く用いられている。近年のゼオライト科学は、規則的な結晶構造に由来する活性発現機構の解析が研究の焦点となっている。しかし、ゼオライトの諸活性は、微視的には骨格内のシリコンおよびアルミニウムの配置の乱れあるいは酸素の欠陥構造によることが大である。本研究は平成4年度より開始しているが、結晶を構成する各原子の規則性からのずれおよび欠陥と活性発現機構との相関性を解明するもので、平成6年度が最終年度である。
本年度は、ホ-ジャサイトについて水熱処理および酸処理などにより脱アルミニウムした試料について欠陥の生成と(二次)細孔構造の変化をIR、NMR、吸着、および欠陥部の反応性などにより検討した。
水熱処理および酸処理に伴い窒素の吸着等温線に見られるプラトー領域は減少し、ゼオライト特有の規則的且つ均一な細孔構造が一部破壊されていることが、示される。吸着等温線を基にしたいわゆるt-プロットは、処理により3つの直線部分からなる形状へと変化した。この形状から細孔径および細孔容積を計算すると、水熱処理および熱処理によりもともと存在する分子径オーダーの細孔の他にメソ孔とされる均一な細孔径を有す二次細孔が生成する。細孔容積の変化からみて、二次細孔量は処理と共に増加していく。これはゼオライト骨格のアルミニウムが除去されることにより、ゼオライト構造は保持されても微細孔の連結によるメソ孔の生成を示唆する。一方、脱アルミニウムと同時にシリコン置換を行う四塩化珪素処理では二次細孔の生成は僅かであり、この処理においては結晶および骨格構造共に保持されることを示す。

Research Products

• [Publications] K.Tsutsumi: "Adsorption Characteristics of Hydrohobic Zeolites" Studies in Surface Science and Catalysis. 83. 217-224 (1994)
• [Publications] A.Matsumoto: "Sdsorption Characteristics and Reactions of Propyne on Microporous Crystals" Journal of Chemical Cociety:Faraday Trans.(in press).