1992 Fiscal Year Annual Research Report
ホスト化合物を用いた水環境浄化システムに関する基礎的研究
Project/Area Number |
04453023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松本 澄 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (20026818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 史朗 京都大学, 総合人間学部, 助手 (30026794)
大谷 晋一 京都大学, 総合人間学部, 教授 (10026768)
戸田 三津夫 京都大学大学院, 人間・環境学研究科, 助手 (70217511)
松井 正文 京都大学大学院, 人間・環境学研究科, 助教授 (40101240)
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Keywords | クラウンエーテル / イオン捕捉 / ポリアミン / 分子認識 / 銀錯体 / 芳香族求核置換反応 / 超高圧 |
Research Abstract |
まず、窒素原子に種々の芳香族複素環が直結したジアザクラウンエーテル及びモノアザクラウンエーテル(12員環から21員環)を超高圧環境(0.8GPa、100℃、数日間)に於て効率良く合成した。これらのうち、チアゾール、オキサゾール、ピリダジンそれにピリミジンを有するものは従来のクラウンエーテルとは違ってイオン輸送及び抽出実験に於て銀イオンに対して特異的な捕捉を示すことを見いだした。トリフルオロスルホン酸銀とチアゾール直結クラウンエーテルとの錯体の合成及びX線構造解析に成功した。興味あることにチアゾール直結クラウンエーテルはAgOSO_2CF_3と1:2錯体を形成し、ジアザー18ークラウンー6では対称性の良い構造であってAg-Ag間の距離は2.790A^^°で、金属の銀に於ける距離より短いことが分かった。それに対してジアザー15ークラウンー5ではクラウンの同じ側に2つの銀があって全く異なる構造をとりAg-Ag間は2.969A^^°であった。さらにビスクラウンエーテル類及びピリジンを中心とするポリアミンの合成に成功したが、今のところ特に重金属イオンに対する捕捉能はいまひとつ効率的でなかった。しかし、ピコリル基が結合したジアザ-及びモノアザクラウンエーテルはカドミニウムイオンを捕捉し今後の分子設計に期待される。窒素原子に芳香族複素環の直結したポリアミンの合成にも成功したがこれらのうちいくつかは中性分子、例えばジクロロメタン、ベンゼン、ヘキサン等と包接化合物を形成することを明らかにした。そのほか、今後、重金属イオンを捕捉する可能性のある化合物としてピリダジンやピリジンの縮環したインドリジリの合成も達成している。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kiyoshi MATSUMOTO: "Synthesis of Functionalized Pyridines by Aminolysis of 2,6-Dichloropyridines" Chemistry Express. 7. 473-476 (1992)
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[Publications] Kiyoshi MATSUMOTO: "High Pressure Functionalization of Diza-Crown Ethers and Thioethers" High Pressure Reasearch. (1992)
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[Publications] Kiyoshi MATSUMOTO: "High Pressure Synthesis of Functionalized Monoaza-Crown Ethers That Show Specific Binding Properties for Ag^+ Ion" Chemistry Express. 8. 105-108 (1993)
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[Publications] Mitsuo TODA: "Synthesis of Metal Ion-Specific Bindings of New Functionalized Aza-crown Ethers" Supramolecular Chemistry. 1. (1993)
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[Publications] Kiyoshi MATSUMOTO: "REACTIONS OF 5-CYANO-1,4-DIPHENYLPYRIDAZINO[4,5-a]-INDOLIZINES WITH DIMETHYL ACETYLENEDICARBOXYLATE:REGIOSELECTIVE FORMATION OF 1:2 MICHAEL TYPE ADDUCTS" Heterocycles. 34. 2239-2242 (1992)
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[Publications] Kiyoshi MATSUMOTO: "Reaction of Dicyanometrhylides with 3-(3′,3′-Dimethyltriazene-1-yl)-pyridine-4-carboxylic Acids.Unexpected Preferential Formation of Pyredo [4,3-a]indolixines" Tetrahedron Letters. 33. 7643-7646 (1992)