1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04453027
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊與田 正彦 東京都立大学, 理学部, 教授 (50115995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 正人 東京都立大学, 理学部, 助手 (50137030)
松山 春男 東京都立大学, 理学部, 助教授 (30087118)
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Keywords | ドナー / テトラチアフルバレン / 半導体 / 伝導性 / [3]ラジアレン / アフセプター / ジアニオン / CT錯体 |
Research Abstract |
1.芳香環の1、3位および1、3、5位にドナーを導入した共役系の合成に関しては、ドナーとしてテトラチアフルバレンを用いた系の合成に成功した。芳香環としては、ベンゼン環、ピリジン環、アズレン環などが使用でき、これらの1、3位にテトラチアフルバレンを導入した新しいドナーを合成することができた。また、芳香環の1、3、5位にドナーを導入した化合物としては1、3、5、-テトラチアフルバレニルベンゼンを合成することができた。合成したドナーのラジカルカチオン塩およびCT錯体に関しては、一部それらの調整に成功したものの、出発ドナーが非常に難溶性である場合には調整することができなかった。ただし、ベンゼン環の1、3位および1、3、5位にテトラチアフルバレンを導入した系のCT錯体に関しては、いずれもその合成に成功し、それらの性質を調べたところ、かなり良く電気を流す半導体および金属であることがわかった。 2.機能性[3]ラジアレンの合成に関しては、末端にアクセプター部分を有するトリス(9-フルオレニリデン)シクロプロパンおよびそのジアニオンの合成に成功した。これらの化合物のNMRスペクトルおよび電子スペクトルは、興味ある新しい電子相互作用を示し、またその結果は、分子軌道計算とよい一致を示した。特に興味深いのは、このジアニオンの性質であり、基底状態ではトリアニオン-カチオン構造の大きな寄与による分極構造を示すが、励起状態では電荷が中和されるために逆CT効果が観測された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Masahiko Iyoda: "Palladium-catalyzed Coupling of Trialkylstannyltetrathiafulvalenes with Aryl Halides" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.158-159 (1992)
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[Publications] Masahiko Iyoda: "A Novel C=C Bond Cleavage in Hexacarbonyl(hexapentaene)diiron:X-Ray Crystal Structure of a Bis(μ_3,μ^2-allenylidene)-Iron Complex" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.399-400 (1992)
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[Publications] Takako Nakamura: "Synthesis of Macrocyclic Dilactones by Cyclization of Sulfonium Salts" J.Org.Chem.57. 3783-3789 (1992)
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[Publications] Hiroyuki Higuchi: "Synthesis of 1-(2,2-Dicuamoyimyl)-,1-(2,4,4-Tricyano-1,3-butadienyl)-,1,6-Bis(2,2-dicyanovinyl)-1,3,5-cycloheptatriene and Their Vinylogs" Bull.Chem.Soc.Jpn.66. 275-281 (1993)
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[Publications] Masahiko Iyoda: "Synthesis of the Tris(9-fluorenylidene)cyclopropane Dianion and Related Dianions:[3]Radialenes with Novel Electronic Properties" Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.32. 89-90 (1993)