1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04453033
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
徳山 孝 大阪市立大学, 理学部, 教授 (70046944)
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Keywords | 矢毒蛙 / アルカロイド / デカヒドロキノリン / インドリチジンオキシム / COLOC |
Research Abstract |
1989年、コスタリカサラピグイ河で採集したD.pumilioの塩基性主成分は、すでに構造が明らかなOctahydrohistrionicotoxin C_<19>H_<33>NO,Isodihydrohistrionicotoxin C_<19>H_<27>NOである。副成分としてC_<19>H_<27>N(1),C_<19>H_<33>N(2)(3)などを単離した。副アルカロイド(1)は各種2D-NMR解析に基づいて2,5-2置換ーシスーデカヒドロキノリン誘導体であり、8a-HはA環上axial、2,5-位の置換基はいずれもequatorialなる配座をとることを明らかにした。一般に、シスーデカヒドロキノリン類には環結合の配座変換の問題があって立体構造の決定は容易でない。シスーデカヒドロキノリン自身のP-COSY-NMR低温測定により環結合に関わるJ-結合値を観測した。シスーデカヒドロキノリンアルカロイド類の構造研究の基本資料になると思われる。新アルカロイド(2),(3)はいずれもトランス-デカヒドロキノリンアルカロイドであった。これらの構造解析の過程で、異核相関2D-NMRの分解能向上を必要とし、COLOC型測定法への種々のフィルターの組み込みを検討した。ローパスフィルターとBIRDパルスの組み込みを行ったものが優れた結果を与えることを見いだした。最近新たに単離した副アルカロイドC_<13>H_<22>N_2O(4),C_<14>H_<24>N_2O_2(5)はNMRの解析の結果、新型アルカロイド、インドリチジン-オキシム類であると推定されるが、先にパナマ産D.pumilioから単離、構造を明らかにした同アルカロイドの立体異性体と思われる。現在矢毒蛙から初めて単離されたこれらの新規アルカロイドの立体構造の解明を進めている。
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Research Products
(1 results)