1994 Fiscal Year Annual Research Report
溶媒抽出・ミセル動電クロマトグラフィーによる金属キレートの分離法
Project/Area Number |
04453034
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
川本 博 群馬大学, 工学部, 教授 (20008460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板橋 英之 群馬大学, 工学部, 助手 (40232384)
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Keywords | 溶媒抽出 / ミセル動電クロマトグラフィー / 金属キレート / 分離 |
Research Abstract |
前年度までにキレート抽出-EDTA逆抽出-細管式等速電気泳動による金属イオン分離法の設計をHSAB(Hard and Soft Acids and Bases)経験則によって行い,設計法の正当性を実験で確認してきた.この研究過程で金属キレートの逆抽出が金属イオンの分離手段として重要であることが判明したので,本年度は金属キレートの逆抽出機構について研究を進めてきた.2価のジチゾンキレート(MR_<2'>M=ZおよびCd)の場合,振り混ぜ初期の段階で有機相から水相へのMR_2の迅速な分配と水相でのキレートリングが開環した化学種MR^*_2の生成が起こり,このMR^*_2へH^+がアタックする過程が逆抽出の律速段階であることを解明した: MR_<2,org>【.ablarw.】MR_2 MR_2(SY.ablarw.〔)MR^*_2 MR^*_2+H^+→^^<slow>MR^+_2+HR ただし,添字orgは有機相を示す.Zn^<II>やCd^<II>に比較して安定度が大きいビス(ジチゾナト)銅(II)の場合,H^+濃度が高い領域でキレートリングの開環が逆抽出の律速段階となり,CuR_2はZnR_2およびCdR_2と逆抽出機構が異なることを発見した.H^+濃度の低下とともに律速段階はCuR^*_2+H^+→CuR^++HRに移行することがわかった. 本報告書作成時点でNiR_2の逆抽出機構について検討中であり,上記の知見とともに日本化学会春季年会および日本分析化学討論会において研究成果を発表する予定である.
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