1992 Fiscal Year Annual Research Report
雲仙岳火山活動の推移予測のための地球化学的観測研究
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04453039
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
太田 一也 九州大学, 理学部, 教授 (10037202)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松島 健 九州大学, 理学部, 助手 (40222301)
松尾 〓道 九州大学, 理学部, 助手 (70108645)
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Keywords | 雲仙岳 / 普賢岳 / 温泉 / 火山噴火予知 / 火山活動度 |
Research Abstract |
雲仙・普賢岳は、平成2年11月17日、約200年振りに噴火を開始し、翌平成3年5月20日に溶岩を噴出しはじめ、現在に至るも継続中である。溶岩の噴出量は、既に1億5千万m^3を越えている。 本研究では、火山活動度を評価し、推移を予測するための一環として、温泉水や噴気の温度、水位、化学成分、ガス放出量について、連続的〜継続的観測を実施とするとともに、地震活動、地磁気、熱的状態、溶岩噴出率等の観測結果との比較検討を行った。 温泉観測は、火山東麓7kmの地点に位置している鳥原温泉を対象に実施した。九大島原観測井(深さ360m)の泉温は29.7℃±0.1℃、溶存炭酸ガス濃度75〜80mg/l、ヒドロ炭酸イオン濃度620〜660mg/lで大きな変化は認められなかった。しかし、年間降水量が、対前年比81.1%であったにもかかわらず、平均水位は約60cm上昇した。これは、火山活動度の上昇に対応するものではなく、林野が火砕流によって焼失し、降水の地下浸透を容易にしたことに原因していると思われる。 地獄跡噴気温度は、790〜820℃間を変動し、高レベルを持続していたが、溶体ドームの成長にともなって、本年2月、噴気孔が埋没し、測定不能となった。 火山活動度の指標である溶岩噴出率は、最盛期の平成3年後半には約30万m^3/日であったが、平成4年初期より徐々に減少傾向を示し、同年末には数万m^3/日に低下した。しかし、本年1月中旬より急増し、15〜20万m^3/日に回復した。 これらの諸観測は緒についたばかりであり、今後長期にわたって継続し、火山活動度との関連性を追究する計画である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 大学合同観測班 地球物理班: "雲仙火山1990〜1992年噴火の地球物理観測(1)" 火山. 37. 209-215 (1992)
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[Publications] Setsuya Nakada: "Preliminary report on the activity at Unzen Volcano (Japan)" Journal of Volcanology and Geothermal Research. 54. 319-333 (1983)
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[Publications] Hiroaki Sato: "Crumbling of dacite dome lava and generation of pyroclastic flows at Unzen volcano" Nature. 360. 664-666 (1992)
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[Publications] Edited by T.Yanagi,H.Okada and K,ohta: "Unzen Volcano,the 1990-1992 Eruption" 西日本新聞社・九州大学出版会, 137 (1992)