1992 Fiscal Year Annual Research Report
スクラップ〜塩素燃料電池を組み込んだ高純度アルミニウムの省電子製造
Project/Area Number |
04453056
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 達雄 北海道大学, 工学部, 教授 (10001158)
|
Keywords | アルミニウムスクラップ / 塩素ガス / 燃料電池 / 高純度アルミニウム / グラファイト製電極 / 孔型電極 / 溝型電極 / 溶融塩抵抗測定法 |
Research Abstract |
アルミニウム・スクラップ〜塩素ガス燃料電池を構成する際、従来はグラファイトに付加した細孔を通じて、活物質である塩素ガスをバブリングさせる孔型電極について実験的検討を行ってきた。これに対して、多数の碁盤の目状の溝部分に外部から導入した塩素ガスを滞留させる。溝型電極に関して実験を行った結果、より優れた性能を示し、最大値として、1.5V-4A程度のかなり大きな電池出力が得られた。しかし、溶融塩中に存在する水分その他の微量不純物が、電極反応面を汚染するために電池性能の劣化を引き起すとともに、再現性が悪い。これらの対策として、溶融塩試薬の脱水処理を初め、予備電解精製処理及びパルス状極性反転処などの電極劣化防止対策を取る必要がある。 上記の実験的検討を行いながら、電池出力電圧低下の要因の一つであり、性能解析に必須の物性値である電極間溶融塩の抵抗を、実際に電池が作動してい状態で測定した。まず、初期設定電極間距離を基準とし、5mm、10mm、15mmの3階段に電極間距離を変化させた。各々の電極間距離に設定した状態で電池を作動させ、電池を開回路にした際の過渡特性(出力電圧の変化)を、一点10μs程度の高速で追跡するとこの速度でも追跡不可能な段落が生じ、この部分の大きさが溶融塩の抵抗による電圧降下に相当する。この電圧と電池作動電流から溶融塩の抵抗を算出し、電極間距離依存性として整理すると、極めて良い直線関係が得られることから、従来の方法に比較してより正確な電極間溶融塩抵抗が求められ、電池出力電圧低下のもう一つの要因である反応抵抗の寄与分の見積りがより正確になる結果、電池の性能解析が容易になった。
|