1993 Fiscal Year Annual Research Report
スクラップ〜塩素燃料電池を組み込んだ高純度アルミニウムの省電力製造
Project/Area Number |
04453056
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 達雄 北海道大学, 工学部, 教授 (10001158)
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Keywords | アルミニウム・スクラップ / 塩素ガス / 燃料電池 / グラファイト製電極 / 三相界面 / 白金属貴金属 |
Research Abstract |
アルミニウム・スクラップ〜塩素ガス燃料電池を構成する際、電池性能の良否を決定する要因が、主に塩素ガス還元電極の反応特性によることが判明し、その改善策について種々の実験的検討を進めてきた。しかし、活物質である塩素ガスが反応する場となる三相界面の増大、反応を有効に促進させる電極構造、有害不純物の除去手法等に関して検討を行った結果、従来採用してきた実験手法のみでは、より電池性能の向上を図る上で限界に来ているものと思われる。 そこで今年度は、白金族を主体とする貴金属をグラファイト電極の表面に担持し、その触媒活性による電池性能の向上の可能性について検討することとした。 先ず、Pt、Pd、Rh、Au、Agの5種類の金属について、耐浴性及び塩素ガスとの反応性について試験した結果、Pt、Au以外の金属は、腐食が激しいため使用できないことがわかった。そこで、0.5mmのPt及びAu線を10mmのグラファイト棒に螺旋状に巻き付けた塩素電極を作成し、電池特性の測定を試みたが、自然浸漬状態では耐浴性を示した両金属共に、電池作動中の分極状態においては、浴中に全て溶解してしまった。従って、本高温溶融塩浴中では、貴金属といえども金属状態での使用は不可能であり、例えば、導電性を有する酸化物の様な新たな物質を開発する必要があろう。 しかし、以上の実験を遂行している過程で、従来行ってきた塩素ガスのバブリングによる浴の流動条件下よりも、静止条件に近い場合の方が良い性能を示すこと、即ち、三相界面がゆっくりと上昇するような条件において、最も電池性能が向上する現象を見いだした。そこで、平成6年度は、この現象に関して実験的に検討を加え、電池性能を左右する三相界面の反応特性をより詳細に調査する。
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