1994 Fiscal Year Annual Research Report
スクラップ〜塩素燃料電池を組み込んだ高純度アルミニウムの省電力製造
Project/Area Number |
04453056
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石川 達雄 北海道大学, 工学部, 教授 (10001158)
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Keywords | アルミニウム-塩素燃料電池 / 三相界面 / 溶融塩薄膜層 / 浴の流動 / 塩素ガス濃厚層 / 反応抵抗とメニスカスの長さ |
Research Abstract |
当初に提出した研究実施計画で述べたように、提案したアルミニウム〜塩素ガス燃料電池の作動時に、塩素電極上で塩素ガスの還元反応を進行させる際に、従来行ってきた塩素ガスのバブリングにより浴を流動させることは、逆に電池出力特性を低下させ、むしろ静止条件に近い場合の方が良い性能を示すことが明らかとなった。そこで、本年度は、この現象に関して実験的に検討を加え、電池性能を左右する三相界面に焦点をしぼって、その反応特性をより詳細に調査することとした。三相界面形状の単純なグラファイト製丸棒型電極を使用して実験的に検討した結果、以下に示すような知見が得られた。 まず、塩素ガスの還元反応が進行する、気、液、固三相共存メニスカス部分の溶融塩薄膜層中の溶存塩素濃度は、沖合いの溶融塩中に比べてはるかに高いので、この部分の浴に流動を与えると実質的な濃度低下を招くために、電池性能が低下することになる。また、このメニスカス部分の塩素農厚層を乱さないように、緩やかに反応界面を連続的に更新することが出来れば、最大の電池出力状態を維持することが出来る。さらに、反応抵抗(R_R)とメニスカス長さ(l)との積の値が、メニスカスの長さの違いに関せずほぼ一定であるという関係が得られた。この知見により、任意にスケール・アップした電池の性能を予め予想することが可能である。
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