1992 Fiscal Year Annual Research Report
金属炭化物の酸化における界面反応とクラックの発生機構
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04453062
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
嶋田 志郎 北海道大学, 工学部, 助教授 (90002310)
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Keywords | 金属炭化物 / 酸化機構 / 界面反応 / クラック発生 / 炭素の析出 / 反応速度 / 炭化ジルコニウム / 単結晶 |
Research Abstract |
単結晶炭化ジルコニュウム(ZrC)の(100)画を切り出し、その面を鏡面研磨した試料を、酸素分圧2.7kPa、温度500、550、600℃で酸化し、酸化による重量増加量を微量電気天秤で連続的に追跡して、酸化を速度論的観点から検討した。さらに、酸化した試料を切断し、その面の走査型電子顕微鏡による生成相の形態観察、背面反射法による組成分布さらにEPMAによる酸素、炭素、Zr各元素の定量分析を行って次の知見を得た。 1.500℃では200h酸化しても重量増加量が僅かなため、酸化速度を解析できなった。550、600℃では、酸化は時間に対して直線的に進行することがわかった。 2.X線回折の結果、酸化による試料表面での生成相は立方晶と斜方晶のZrO_2で、結晶子径は非常に小さく、100A程度であった。試料断面を観察すると、生成層はち密でクラックのないZrcに密着した中間層(M層)とクラックが多数入った層(Z層)の2層から成っていた。 3.EPMAの結果、このM層とZ層はZrO_2であり、M層には炭素が多量に含まれその量はZrO_21molに対して30〜100mol%にも達し、M層中で濃度勾配を示した。この炭素はZ層中にも残存しクラック発生箇所では非常に少なくなった。 4.M層とZ層の厚さの経時変化を測定すると、いずれも温度の上昇と共に増加するが、一定温度下ではM層の厚さは時間に依存せず一定となり、Z層の厚さは直線的に増加した。 5.以上の結果に基づき、ZrCの酸化反応を考察した。ZrCのうちZrは酸化されてZrO_2を生成するが、炭素を酸化する程に酸素ボテンシャルが高くないためZrC/ZrO_2界面で炭素を析出し、ち密で炭素を多量に含むM層が生成する。このM層がある厚さに成長するとクラックが入りZ層となる。従って、M層の厚さは一定に保たれ、クラックの多数入ったZ層が厚くなる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Shimada: "Oxidation of TiC at low Temperatupe" Joumal of Materials Science. 27. 1869-1875 (1992)
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[Publications] Shiro Shimada: "Oxidation Kinetics of Hafnium Carbide in the Temperature Ranye of 480゚ to 600℃" Journal of the Amrican Gramic Society. 75. 2671-2678 (1992)
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[Publications] Shiro SHIMADA: "A KINETIC STUDY ON OXIDATION OF NIOBIUM CARBIDE" Solid State Ionics.