1992 Fiscal Year Annual Research Report
反応性スパッタリングによる非晶質薄膜の合成及び材料設計
Project/Area Number |
04453063
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
安井 至 東京大学, 生産技術研究所第四部, 教授 (20011207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇都野 太 東京大学, 生産技術研究所第四部, 助手 (70232874)
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Keywords | 反応性スパッタリング / 薄膜 / アモルファス / 材料設計 / MoSi2 |
Research Abstract |
本研究は、反応性スパッタリング法によるアモルファス材料の合成と材料設計であるが、現在までのところ、Siを含んだ2成分の2つのタイプのターゲットを用いて、酸素を含んだ雰囲気中で反応性スパッタリングを行い、スパッタリング速度等を観察した。そのターゲットは、1つはMoSi2焼結体であり、他の一つは、金属Moと、金属Siを組成比を1:2として切り貼りした複合ターゲットである。スパッタリングガス中の酸素濃度により、各々のスパッタリング速度は変化した。また、合成した薄膜の可視分光を測定したところ、スパッタリングガスのある酸素濃度では、透過率の高く、しかも金属的光吸収を有す薄膜が合成されることが確認された。このような薄膜は、どちらのターゲットを用いて合成した薄膜でも観察された。また、複合ターゲットのスパッタリング速度のほうがやや焼結体ターゲットよりもスパッタリング速度は小さかったが、そのスパッタリング速度の酸素依存性はほぼ同じであった。さらに、四重極子マスにより、スパッタリング中の酸素濃度を測定したところ、有効酸素分圧にスパッタリング速度の依存が認められた。スパッタリングターゲットとして、これら2つのターゲットは、同じ性質のターゲットであるとみなすことができた。また、金属Moと金属Siターゲットを用いてスパッタリング速度も測定した。これら4つのターゲットの関連を考察すると、ターゲット中の原子数を考慮することにより、これら焼結体と複合ターゲットのスパッタリング速度が等価であると評価できた。
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