1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04453067
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
福長 〓 東京工業大学, 工学部, 教授 (20199251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神崎 正美 東京工業大学, 工学部, 助手 (90234153)
広中 清一郎 東京工業大学, 工学部, 助教授 (00016552)
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Keywords | ダイヤモンド / 単結晶 / 超高圧合成 / 溶媒 / 温度差成長法 |
Research Abstract |
超高圧での高純度ダイヤモンド単結晶育成用に適した溶媒として、従来から鉄あるいは鉄に富んだ合金系が使用されているが、この様な溶媒系では成長速度の制御が困難で、結晶は包有物や埋め残しを多く含んでしまう。成長速度を制御する一方法としてFe-Tiなど炭化物が安定な成分を添加して、溶媒中の炭素の溶解度を制御することとした。 本度年は実験に使用するベルト型装置の設置の立ち上げをまず行い、室温および1500℃での圧力補正、温度補正をかねて、Ni溶媒によるダイヤモンド合成領域を基準に鉄系溶媒の合成領域を決定した。溶媒や原料を囲む圧力媒体に、不純物が混入しにくい高純度食塩成形体を使用したことにより、1500℃での圧力は室温の約30%増加することが分かった。鉄系の合金触媒ではダイヤモンドの熱力学的安定条件でかつ溶媒と炭素の共融点以上の条件でもダイヤモンドの自発核発生が見られず、種結晶の表面に成長だけが見られる温度圧力条件があることを見いだした。この領域ではダイヤモンドの成長が黒鉛とダイヤモンドの化学ポテンシヤルの差を駆動力とする種成長の制御が容易であると考えられた。ただし、本年度の実験では炭化物形成元素の添加量が多すぎたためか、成長したダイヤモンド結晶は完全なものではなかった。平成5年度はさらに、適当な溶媒組成を選択する実験を行う。 また、何故鉄に富んだ溶媒系ではダイヤモンド結晶の成長過程の制御が困難なのかを把握するため、成長の温度圧力条件と共に、成長時間を変化させて、種結晶上に新しく成長するダイヤモンドの成長セクター観察することを試みた。その結果、温度差を厳密に制御することが特に必要であることが分かり、成長部の温度差をさらに小さくする試料セルの開発を試みている。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 山岡 信夫,赤石 実,神田 文生,大沢 俊一,谷口 尚 清 晴彦,福長 脩: "8GPu常用ベルト型超高圧合成装置の開発" 圧力技術. 30. 249-258 (1992)
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[Publications] 福長 脩: "超高圧ダイヤモンド" セラミックス. 27. 215-218 (1992)
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[Publications] 福長 脩: "CBNa低圧合成法" 金属. 15-20 (1992)
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[Publications] S.NAKANO AND O.FUKUNAGA: "Recent Trend in High Pressure Research PP.687-691" Ox force & IBH Pub.Co.(New Delhi,Bombcy,Calcutta), 921 (1992)
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[Publications] 福長 脩: "旭硝子財団研究報告 vol61.pp301-311" 旭硝子財団, 342 (1992)