1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04453073
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
足立 吟也 大阪大学, 工学部, 教授 (60029080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂口 裕樹 大阪大学, 工学部, 助手 (00202086)
今中 信人 大阪大学, 工学部, 助手 (30192503)
町田 憲一 大阪大学, 工学部, 助教授 (00157223)
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Keywords | 希土類化合物 / 窒化物微粒子 / 気相錯体 / 気相反応 / 磁性材料 |
Research Abstract |
本研究ではまず、アルミナ反応管、ステンレス管、ガラス管、ストップバルブおよび流量計を購入し、流通式反応装置を組み立てた。さらに2ゾーン型の電気炉を導入し、気相錯体の形成と窒化物への変換を行った。また、得られた試料微粒子の分析は、購入した自記分光光度計、既存の蛍光X線分析装置および窒素・酸素分析装置を用いて行うと共に、それらの粒径も走査型あるいは透過型電子顕微鏡を用いて併せて評価した。 まず、気相錯体の生成条件等を検討するためにFeCl_3を始めとする各種の錯形成剤を用いて、気相錯体を経由する気相中での輸送現象を検討した。その結果、AlCl_3およびKClは希土類塩化物(LnCl_3)と容易に気相錯体を形成し、希土類間の相互分離がその効果的に進行するなど、興味深い結果が得られた。しかしながら、FeCl_3はLnCl_3とは気相錯体を形成しにくく、これはFeCl_3の強い吸湿性のために水が取り込まれ、これにより錯化剤としての効力が失われるためと結論された。そこで、原料としてFe金属を用いると共に雰囲気中に塩素ガスを導入し無水の状態でFeCl_3を生成させ、これとLnCl_3との間で気相錯体が効率良く生成することが明らかになった。 一方上記の知見を基にして、生成した気相錯体Ln_mFe_nCl_<3(m+n)>を窒素ガスをキャリヤーとして、NH_3-H_2混合雰囲気中に導入し、Ln-Fe-N系微粒子の気相合成を行った。得られた微粒子は蛍光X線分析の結果からSmとFeの両成分を含み、上述のLn_mFe_nCl_<3(m+n)>錯体を経由して生成することが明かとなった。しかしながら、これらの試料には少なからぬ塩素が残存しており窒化は不十分であった。今後は、窒化反応の完結およびSmとFe比の制御に関して化学工学的な知見を得ると共に、永久磁石材料として最近注目されているSm_2Fe_<17>N_x用の製造原料としての可能性について検討を加える予定である。
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