1993 Fiscal Year Annual Research Report
分子集合体薄膜による電極-溶液界面の電荷移動反応制御
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04453079
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
徳田 耕一 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (40016548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡島 武義 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (70194347)
北村 房男 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (00224973)
大坂 武男 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (80152099)
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Keywords | 分子集合体薄膜 / 電極-溶液界面 / 分光電気化学 / フーリエ変換赤外分光 / ビオロゲン / 電荷移動反応 |
Research Abstract |
1.水銀めっきした白金電極に形成された、種々のビオロゲンの分子集合体単分子薄膜およびラジカルカチオン析出物の紫外可視反射吸収スペクトルを電位の関数として、その場測定を行った結果、水銀電極でのサイクリックボルタモグラムに現れる鋭いスパイク状の波の負側の電位におけるスペクトルはラジカルカチオン種によるものであることが明らかになり、この波が吸着種のレドックス反応過程によることが、確証された。2.同じ分光電気化学セルにより、電位の関数としてのFT-IR反射スペクトルをMCT検出器を用いて測定した。IRRAS及びSNIFTIRSスペクトルの電位依存性、p偏光・s偏光に対する応答およびMO計算の結果から、吸着ビオロゲンは、酸化状態と比較して、還元状態では分子の長軸を電極面にある程度垂直に立てた形で吸着していること、ラジカルカチオン分子間にはかなり強い相互作用があることを明らかにした。3.これらビオロゲン吸着薄膜の存在下で、Pb(II)およびT1(I)の還元反応及びその生成物の酸化反応を調べた。ビオロゲン薄膜はその酸化状態では、これらイオンの反応にほとんど影響しないが、還元状態では大きく阻害し、ゲート機能を有することが示された。しかし、この阻害の程度には、吸着薄膜の形成からの経過時間に敏感に依存し、分光学測定からは分らなかった還元状態の薄膜が徐々に構造変化することが明らかとなった。膜の構造変化に従い、電極反応速度が時間と共に徐々に変化するので、電極反応速度定数を数値として求めることは行わなかった。この構造変化は全く予想されなかったことで、さらに検討中である。4.これらの結果から、ビオロゲン薄膜はそれが還元されると、電極面に対して垂直に立ち上がり、その結果反応種イオンの電極への接近を妨げることにより電荷移動速度が遅くなると結論される。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] F.Kitamura: "Adsorption behavior of viologen derivatives on mercury electrode surface" J.Electroanal.Chem.347. 371-381 (1993)
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[Publications] F.Kitamura: "Insitu infrared reflection absorption spectra of heptyl viologen adsorbed on mercury electrode surface" J.Electroanal.Chem.353. 323-328 (1993)
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[Publications] T.Ohsaka: "One-and Two-electron Reduction of Molecular Oxygen Based on electrode surface modification" Denki Kagaku. 61. 763-766 (1993)
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[Publications] F.Kitamura: "Effect of complexation by cyclodextrins on the voltammetric characteristic of viologens adsorbed on an HMDE" J.Electroanal.Chem.(印刷中). (1994)