1992 Fiscal Year Annual Research Report
芳香族化合物の総合的高度利用をねらいとする新しい置換基導入法の開発
Project/Area Number |
04453100
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野村 正勝 大阪大学, 工学部, 教授 (10029184)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 聡 大阪大学, 工学部, 助手 (70219921)
三浦 雅博 大阪大学, 工学部, 助手 (20183626)
三宅 幹夫 大阪大学, 工学部, 助教授 (80112019)
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Keywords | 芳香族化合物 / 置換基導入 / 遷移金属触媒 / カップリング / カルボニル化 |
Research Abstract |
交付申請書に記した計画に従って、数種の芳香族ハロゲン化物を選定、合成した。合成法の検討中、芳香族スルホニルクロリドとヨウ化亜鉛から反応活性の高い芳香族ヨウ化物を得る新規合成法を見いだした。また、計画に挙げたコバルト、ニッケル、および銅の3級ホスフィンおよびホスファイトならびに3級アミン錯体を設計、調製した。これらの錯体触媒存在下、芳香族ハロゲン化物と不飽和炭化水素とのカップリング反応(反応温度60-120℃、反応時間5-24時間)およびクロスカルボニル化反応(反応圧 1-15気圧、反応温度 60-120℃、反応時間 5-24時間)を検討したところ、銅の1価錯体がとくに末端アルキンとの反応において優れた触媒活性を示すことが明らかとなった。反応の溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミドやジメチルスルホキシド等の極性溶媒が好結果を与えることがわかった。例えば、塩化銅-トリフェニルホスフィン錯体触媒ならびに副生する酸の捕捉剤としての炭酸カリウム存在下、N,N-ジメチルホルムアミド中、窒素雰囲気でフェニルアセチレンとヨウ化ベンゼンとを反応させることにより定量的にジフェニルアセチレンが得られ、パラジウム等の貴金属触媒を用いるよりも高い生成物収率が達成された。また、一酸化炭素雰囲気で同じ反応を行うと常圧下でもクロスカルボニル化が生起し、1,3ージフェニル-1-プロピン-2-オンが生成した。これらの反応には芳香族ハロゲン化物のほか、芳香族置換基を有するハロゲン化ビニルが使用可能であることも明らかにした。これらの研究結果をもとに、平成5年度は当初計画の反応条件の最適化と反応メカニズムの検討とともに、さらにアルキンの他、アルケンやアルケノールとの反応にも高活性を示す触媒反応系の創製を目的として錯体触媒の設計、調製に関する研究を継続して行う予定である。
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Research Products
(1 results)