1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04453103
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Research Institution | Saitama Institute of Technology |
Principal Investigator |
手塚 還 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (50118668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 政和 埼玉工業大学, 工学部, 講師 (20232663)
矢嶋 龍彦 埼玉工業大学, 工学部, 助教授 (30118674)
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Keywords | 低温プラズマ / グロー放電電解 / 酸素活性種 / 有機酸化 / ヒドロキシルラジカル |
Research Abstract |
低温プラズマは熱的作用によることなく高エネルギー電子との衝突を利用して分子を高度に活性化しうる手法として近年、急速に注目を集めている。酸素や窒素などの無機ガスをプラズマ化すると、従来の手法では生成が容易でない種々の高次励起種をはじめとするいわゆる超活性種を連続的かつ効率的に作り出すことができるが、これを有機合成反応に利用しようという試みは、ごく最近始まったばかりである。従来このような高エネルギー条件下での反応は選択的に乏しいという見方が一般的であったが、本研究はプラズマと液相との相互作用及びそれから誘起される溶液内反応を積極的に活用することにより活性種の反応性の制御を実現しようとするものである。平成4年度は酸素や窒素などの無機ガスからのプラズマ生成活性種を利用する有機反応を試みた。プラズマ-液相反応に用いる溶媒としては二塩基酸エステルを中心に種々検討した結果、グルタル酸ジメチルが最も適切であり、芳香族アルケン及びアルキン類を含む溶液上に酸素プラズマを照射させるとすみやかに基質が酸化され、アルケンからの生成物はエポキシドが主であるが、このときのエポキシドの立体選択性は保持されないことなどを見出した。平成5年度は主にグロー放電電解法を用いて水中有機物質の酸化分解を検討した。例えば、フェノールの場合にはヒドロキノン、シュウ酸、蟻酸および無機炭素(HCO_3^-)の生成が確認された。有機基質が存在しないときは過酸化水素がほぼ定量的に得られることなどからこの酸化における一次的な活性種はヒドロキシルラジカルであることが、強く示唆される。ただ酸化速度は雰囲気ガスの種類に依存せず、ヒドロキノン以外の二価フェノールが生成しないなど化学的に生成したヒドロキシルラジカルによる酸化とはかなり様相を異にしていることもあわせて明らかになった。
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