1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04453106
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
足立 桂一郎 大阪大学, 理学部, 助教授 (00028226)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 宏 大阪大学, 理学部, 助手 (90167164)
小高 忠男 大阪大学, 理学部, 教授 (20027022)
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Keywords | ポリイソプレン / 重心拡散係数 / 散乱レーリー散乱法 / 誘電的ノーマルモード過程 / 回転拡散係数 / 回転緩和時間 / 二乗平均末端間距離 / からみ合い状態 |
Research Abstract |
ポリイソプレン(PI)のバルク状態およびポリブタジエン(PB)とのブレンド系について、重心拡散係数(並進拡散)Dを散乱レーリー散乱法で測定し、回転拡散係数は誘電的ノーマルモード過程の測定で得られる末端間ベクトルの回転緩和時間τから求めた。D、τおよび、二乗平均末端間距離〈r^2〉のあいだに成り立つ、無次元量Dτ/〈r^2〉を求め、理論と比較したところ、非からみ合状態では、Rouse理論とよく一致した。しかし、からみ合い状態では1/(3π^2)(〜1/30)より小さい値が得られ、分子量とともに減少した。この結果は現在もっとも正しいと考えられているGraessleyの管再構成模型でも説明できない。次に、高分子鎖の化学構造がDおよびτにどのような影響を与えるかを調べるため、PIおよびポリ(ε-カプロラクトン)(PCL)について誘電的ノーマルモード過程の測定を行ない、両者を比較したが、誘電的ノーマルモード過程の挙動は全く等しく化学構造の影響はないことがわかった。さらにPIについては、種々の分子量のポリブタジエン(PB)および溶媒(へプタン)との3成分系について測定を行い、希薄溶液から準希薄およびバルクまで組成を変化させτおよび<r^2>に対するからみ合い効果を調べた。PBの濃度C、PIおよびPBの極限粘度[η]_1および[η]_Bとすると、τがC[η]_1およびC[η]_Bの普遍関数として表されることがわかった。一定のC[η]_BでτのPI分子量依存性を調べると、PIの高分子域でZimm理論に合う領域がみとめられた。また<r^2>はC[η]_Bの増加とともに減少し、ブロブモデルに基づいたスケーリング理論が近似的に妥当であることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Adachi: "Dielectric Normal Mode Relaxation" Progr.Polym.Sci.16. 585-622 (1993)
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[Publications] O.Urakawa: "Dielectric Normal Mode Relaxation of Probe Polyisoprene Chain in Semidilute Polybutadiene Solutions.1.End-to-End Distance." Macromolecules. 26. 2036-2041 (1993)
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[Publications] O.Urakawa: "Dielectric Normal Mode Relaxation of Probe Polyisoprene Chain in Semidilute Polybutadiene Solutions.2.Dynamic Behavior" Macromolecules. 26. 2042-2049 (1993)