1992 Fiscal Year Annual Research Report
カチオンリビング重合による新規熱可塑性エラストマーの合成と特性化
Project/Area Number |
04453115
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
〓谷 信三 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (50027900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕子 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (10202904)
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Keywords | 熱可塑性エラストマー / ポリ(オキシテトラメチレン) / エチレンオキシド / アイオネン / テレキリックアイオネン |
Research Abstract |
新しいタイプの熱可塑性エラストマーを得る目的で、含酸素環状モノマーとしてテトラヒドロフラン(THF)およびエチレンオキシド(EO)を用いてカチオンリビング重合を行った。研究実施計画(1)は、THFに続いてEOを重合させてトリブロックコポリマーを合成するものである。トリフルオロメタンスルホン酸無水物によるTHFの重合は問題なく進行したが、重合系へのEOの添加を行い、さらに反応操作を続けて得られた生成物はEO単位を含んでいなかった。モノマーであるEOの精製および反応条件と反応操作について再検討を行っている段階である。(2)はアイオネン型エラストマーの合成で、交付申請書に記載の、ジアルキルアミノ基を導入後、ジハライドとのメンシュトキン反応によるアイオネンの合成に成功した。さらに興味あることに、このルートよりも簡便に、ポリTHFリビングカチオンにピリジン、2,6-ジメチルピラジン、ジメチルアミノトリメチルシランを反応させることにより、テレキリック型アイオネンを合成し、キャスト法により得られたフィルムがエラストマーとなることを発見した。これらアミンを過剰に用いてリビングカチオンを停止させた場合の方が、熱天秤で評価した耐熱性に優れていた。アイオネン単位の対アニオンをスルホン酸イオンからブロマイドに変えても耐熱性が向上した。これら耐熱性の向上については現在その理由を検討中である。ジメチルアミノトリメチルシランを用いた系からのテレキリック型アイオネンは、引張強さが14.IMPa、伸びが1450%と極めて優れたエラストマーとなることが明らかとなった。動的弾性率の温度分散は、ポリエーテル系マトリックス中におけるイオンクラスターの形成を示唆しており、現在、さらに詳しく検討を行っている。
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[Publications] S.Bualek: "Recent Advance in Liquid Crystalline Elastomer" Nippon Gomu Kyokaishi. 65. 10-18 (1992)
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[Publications] S.Kohjiya: "Hydrophilic Elastomer Containing Poly (tetra-hydrofuran)Segments and Viologen Units" J.Applied Polymer Science. 44. 555-559 (1992)
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[Publications] S.Kohjiya: "Moisture Cure and Related Processes of Synthetic and Natural Rubbers" J.Applied Polymer Science:Applied Polymer Symposium. 50. 213-221 (1992)
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[Publications] 〓谷 信三: "有機ー無機ハイブリッドゲル" 化学と工業. 45. 925-926 (1992)
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[Publications] S.Kohjiya: "Elastomeric Ionic Conductors from Poly (ethyleneoxide-co-epichlorohydrin)s" Electrochimica Acta. 37. 1721-1723 (1992)
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[Publications] A.Kidera: "Simulation of Size-exclusion Chromatograms of Polymer Networks-size Distribution" Computational Polymer Science. 2. 72-79 (1992)