1994 Fiscal Year Annual Research Report
カチオンリビング重合による新規熱可塑性エラストマーの合成と特性化
Project/Area Number |
04453115
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
麹谷 信三 京都大学, 化学研究所, 教授 (50027900)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 裕子 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助手 (10202904)
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Keywords | 熱可塑性エラストマー / ポリ(オキシテトラメチレン) / ポリ(オキシエチレン) / アイオネン / テレキリックアイオネン / ブチルゴム / 小角X線散乱 / セグメント化ポリウレタン |
Research Abstract |
新規熱可塑性エラストマーを得るために、含酸素環状モノマーとしてエトラヒドロ、フラン(THF)を、触媒にトリフルオロメタンスルホン酸無水物を用いてカチオンリビング重合を、また、市販のポリエチレンオキシド(PEO)を用いて高分子反応、およびゴムと熱可塑性ポリエチレンとの機械的混合を行った。生成ポリマーについてX線(SAXS)、熱分析(DSC)などによる構造解析を、また動的力学的試験(DMA)、応力-歪測定(S-Sカーブ)などによるエラストマーとしての評価を行った。 研究実施計画(1)はエチレンオキシド(EO)を両端にブロック重合させる予定であったものを除いて、物性評価を含めて予定通りの成果を得て、投稿論文を執筆中である。PEOをブロックしたものの合成は、所期のブロックポリマーを得ることができなかった。EOの重合が予想したようなリビング系ではなかったと思われる。計画(2)については予定通りに進行し、その成果を投稿した。計画(3)についてもカチオンリビング重合を駆使して対イオンを変化させたエラストマーを合成し、対イオンがモルフェロジーおよび力学的特性に与える効果を明らかにした。この項目については既に論文が印刷された。計画(4)については、低極性のゴム状マトリックス中におけるPEOなどの極性セグメントやビオローゲン、アイオネンなどのイオン点が凝集してドメインを形成したり、イオンクラスターを形成することが明らかとなり、その詳細について総説を準備中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] S.Kohjiya et al.: "Natural rubber-HDPE blends with liquid NR as a compatibilizer" J.of Applied Polymer Science. 51. 1357-1363 (1994)
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[Publications] S.Kohjiya et al.: "Structure and properties of poly(THF) viologen ionene" Polymer. 35. 2672-2678 (1994)
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[Publications] Y.Ikeda et al.: "Effect of solvent evaporation rate on microphase-separated structure of seqmented polyurethane prepared by solution casting" Macromolecular Chemistry and Physics. 195. 3615-3628 (1994)
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[Publications] Y.Ikeda et al.: "Chemical modification of butyl rubber.II.Structure and properties of poly(ethylene oxide)-grafted butyl rubber" J.polymer Science:Part B:Polymer physics. 33. 387-394 (1995)