1993 Fiscal Year Annual Research Report
アブラナ科植物の自家不和合性に関する生物有機化学的研究
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04453136
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
磯貝 彰 東京大学, 農学部, 助教授 (20011992)
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Keywords | 自家不和合性 / アブラナ科植物 / Brassica Campestris / S糖タンパク質 / S-リセプターキナーゼ / cDNA / カロース形成 |
Research Abstract |
1.既にこれまでの研究でクローニングされていたSLG^8,SRA^1遺伝子をプローブとしてS^<12>株の柱頭からのcDNAライブラリーをスクリーニングした結果、SLG^<12>,SRA^3遺伝子をクローニングすることができた。これらの遺伝子の塩基配列を決定し、アミノ酸配列を相互に比較し、構造的な特徴を明らかにした。その結果、SRA遺伝子群は極めて相同性が高く、90%以上の相同性があるのに対し、SLG遺伝子群はそれに比べて相同性がやや低く(60-80%)多様性に富むことが判明した。また、分子中、超可変領域と思われる部分が明かとなった。 2.昨年度、S^8,S^<12>株についてSRK遺伝子の存在を明らかにしたが、SRK^<12>のPCR産物を用いて、SRK^<12>の全長をコードするcDNAのスクリーニングを試みた。その結果、キメラ遺伝子ではあったが、全長を含む遺伝子を単離し、その塩基配列を決定した。また、ノーザン分析によって、SRK^<12>遺伝子のmRNAが発現していることを確認した。SRK^<12>遺伝子はSLG^<12>と76%の相同性を有するS-レセプター部分、膜貫通部分、細胞内のキナーゼ部分からなり、自家不和合性の発現に際して細胞外の情報を細胞内に伝達する機能を担っていると推定された。 3.各種の薬剤で柱頭を処理し、カロース形成と花粉管の伸張を観察したところ、自家受粉の場合でもカロース形成が認められないが、花粉は伸張し得ない場合、また、逆に、他家受粉でもカロースが形成される場合(花粉管は伸張する)が観察され、カロース形成は自家不和合性の二次的な反応であると結論づけられた。
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[Publications] I.S.Nou et al.: "Isolation of S-alleles from a wild population of Brassica campestrsis L.at Balcesme,Turkey and their characterization by S-glycoproteins." Sex.Plant Reprod.(in press).
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[Publications] S.Yamakawa et al.: "The sequences of S-glycoproteins involved iself-incompatibility of Brassica campestris and their distribution among Brassicaceae." Biosci.Biotech.Biochem.(in press).