1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454007
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
広瀬 忠樹 東北大学, 理学部, 教授 (90092311)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺島 一郎 東京大学, 理学部, 助手 (40211388)
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Keywords | 個葉光合成 / 群落光合成 / 光環境 / 窒素分配 / 窒素利用効率 / 最適モデル / 葉緑体タンパク質 / クロロフィル |
Research Abstract |
1.多年生草本イタドリとカリヤスモドキの実験群落をつくり、広葉型とイネ科型の群落構造上の相違が群落光合成におよぼす影響について解析した。層別刈取り法により測定した吸光係数はイタドリで1.02、カリヤスモドキで0.69とほぼ予想した結果が得られた。個葉の光合成を光と葉窒素濃度の関数として表し、これを群落内の光分布と窒素分布と組み合わせることにより、群落光合成をモデル化することができる。与えられた窒素量に対して群落光合成を最大化する群落内窒素分布を決定し、実際の窒素分布と比較検討する。イタドリとカリヤスモドキはそれぞれC3、C4植物であり、個葉レベルの窒素利用効率はC4植物のカリヤスモドキで大きいことが示された。 2.葉緑体の光合成系を形成する各タンパク質について、その増加が光合成の最大光合成活性および初期匂配の増加にどのように寄与するのかを検討し、それをもとに葉の光-光合成曲線および葉の日光合成に及ぼす葉窒素含量と葉緑体内の各タンパク質への分配の影響を考察した。異なる光・窒素環境において日光合成を最大にする葉窒素含量・分配と、窒素利用効率を最大にする葉窒素含量および分配を比較検討した。 3.葉の窒素含量・分配および光合成活性に及ぼす光と老化の影響を分離して検討するために、つる植物を水平にして裁培する実験系を開発した。その結果、老化と被陰はともに葉窒素含量の減少をもたらす、しかし、一定の光環境条件下の老化においては、葉全窒素あたりのクロロフィル量はほぼ一定であるが、葉を被陰した場合には、その比が増加するという順化の傾向がみとめられるなど両者は、明らかに異なるプロセスであることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] F.Schieving,T.L.Pons,M.J.A.Werger,T.Hirose: "The vertical distribution of nitrogen and photosynthetic activity at different plant densities in Carex acutiformis" Plant and Soil. 142. 9-17 (1992)
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[Publications] F.Schieving.M.J.A.Werger,T.Hirose: "Canopy structure,nitrogen distribution and whole canopy photosynthetic carbon gain in growing and flowering stands of tall herbs" Vegetatio. 102. 173-181 (1992)
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[Publications] K,Hikosaka,I.Terashima,S.Katoh: "Effects of light,nutrient and age on nitrogen content and photosynthesis of leaves." Proceedings of the IX International Photosynthesis Congress,Edited by N.MURATATA,Kluwer,Dordrecht.(1992)
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[Publications] K.Hikosaka,K.Okada,I.Terashima,S.Katoh: "Acclimation and senescence of leaves:Their roles in canopy photosynthesis." Photosynthetic Responses to the Environment.Edited by H.YAMAMOTO,American Society of Plant Physiologists.(1993)