1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454023
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
丸山 工作 千葉大学, 理学部, 教授 (60012267)
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Keywords | 筋弾性蛋白質 / 巨大サルコメア / コネクチン / プロジェクチン / ミニタイチン |
Research Abstract |
脊椎動物横紋筋では、分子量300万におよぶ巨大な弾性蛋白質コネクチン(タイチンともよばれる)がZ線とミオシンフィラメントをつないでいることが確立されている。無脊椎動物では、分子量120万のプロジェクチン(ミニタイチンともよばれる)がその代りをしていると報告されている。とくに昆虫の飛行筋でよくしらべられている。ところがザリガニのはさみの筋肉では、サルコメア長(休止時)が10μmという巨大なものが存在する(ふつうはサルコメア長3〜4μm)。この巨大サルコメアではどうなっているのかが本研究テーマである。 ザリガニはさみ筋のSDSゲル電気泳動パターンをみると、分子量120万のプロジェクチンのほかに、分子量約300万のバンドが存在する。量的にはプロジェクチンの1/10ていどである。これを取りだして電子顕微鏡下でみると、約1μmの細長いコネクチン様の蛋白質であることがわかった。さらに、これに対する抗体を作成して蛍光抗体法でしらべたところ、巨大サルコメアの工帯部に局在し、伸縮によってその位置が移動した。アクチンフィラメントをゲルゾリン処理で除去すると、工帯部に細いフィラメントがみられ、Z線とミオシンフィラメントをつないでいることがわかった。このフィラメントに300万蛋白質に対する抗体が結合した。すなわち、ザリガニはさみ筋の巨大サルコメアの弾性蛋白質は、脊椎動物のコネクチンとよく似たものであることが判明した。 では、多量に存在する分子量120万のプロジェクチン(ミニタイチン)は何をしているのか?蛍光抗体法は、それがミオシンフィラメントに存在し、サルコメアの伸縮に関係ないことを明らかにした。おそらく、ミオシンフィラメント上にあって、コネクチンを保持することにかかわっているものと思われる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] S.Kimura,T.Matsuura,S.Ohtsuka,K.Maruyama: "Characterization and localization of α-counectin on elastic protein from rabbit skaletal musle" J.Muscle Res.Cell Motil.13. 39-47 (1992)
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[Publications] H.Higuchi,T.Suzuki,S.Kimura,K.Maruyama: "Localization and elasticity of connectin filaweats in bwg skinned mus le fibers." J.Muscle Res.Cell Motil.13. 285-294 (1992)
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[Publications] H.Ohmura,Y.Nakauchi,S.Kimura,K.Maruyama: "Auto phospborylation of β-connectin in Vitoo" Biochesn,Biophys,Res,Comm,. 183. 31-35 (1992)
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[Publications] S.Ohtsuka,S.Kimura,Y.Kawamura,K.Maruyama: "Chiclcen leg muscle α-connectin as studud by a monoclonal autibody to 1200 leDa fragmout" Comp.Biochem.Physiol.103B. 543-546 (1992)
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[Publications] T.Funatsu,E.Kono,H.Higuchi,S.Kimura: "Elastic filaments in casdiac muscle" J.Ccll.Biol.120. 711-724 (1993)