1992 Fiscal Year Annual Research Report
ジャワ島出土ホモ・エレクトス化石の形態学的・年代学的研究
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04454034
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Research Institution | National Museum of Nature and Science,Tokyo |
Principal Investigator |
馬場 悠男 国立科学博物館, 人類研究部, 室長 (90049221)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 秀治 お茶の水女子大学, 生活科学部, 助教授 (90141986)
松村 博文 国立科学博物館, 人類研究部, 研究官 (70209617)
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Keywords | ホモ・エレクトス / ジャワ / 形態 / 年代 |
Research Abstract |
馬場は、ピテカントロプスVIII号頭蓋の復元をおこない、それにもとづいて基礎的形態記載および計測をおこなった。さらにアジア各地の更新世人類化石との比較分析をおこなった結果、かつて地域進化説の根拠となった特徴の多くは、実際には明確な形態学的特徴と考えられないことがわかった。 松村は、1979年-1986年にかけてサンギラン地域から新たに発見されたジャワ原人の歯30点のレプリカを作成し、基礎的計測と観察をおこなった。また歯の咬頭面積に関しては、類人猿、猿人、旧人および現代人からのデータを採取し、比較分析をおこなった。その結果、咬頭面積による比較が人類の進化段階の指標となることが明らかになりこれらはジャワ原人との比較のための基準データとして利用が可能になった。 松浦は、1979年-1986年にかけてサンギラン地域から新たに発見されたジャワ原人の成人下顎骨資料3点について、フッ素の分析をおこない、その産出層序および年代を推定した。またこれらの結果にもとづいて、他のジャワ原人化石との関連を予備的に考察した。なお、本年代判定にかかわる基準比較フッ素データをより汎用可能なものとするため、当該化石資料についてリン含量の分析もおこない、フッ素とリン比を指標とした基準データ群を作製した。
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[Publications] HISAO BABA AND FACHROEL AZIZ: "Human Tibial Fragment from Sambungmacan,Java" The evolution and dispersal of modern humans in Asia,Hokusen-sha. 349-360 (1992)
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[Publications] F.AZIZ,H.BABA,N.WATANABE & T.SHIBASAKI: "Hominid Tibial Fragment from Sambungmacan,Java" PUBLICATION OF THE GEOLOGICAL RESEARCH AND DEVELOPMENT CENTRE PALEONTOLOGY SERIES,BANDUNG,INDONESIA. 7. 1-9 (1992)
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[Publications] 馬場 悠男: "インドネシアに化石人骨を捜して" 東南アジア考古学会会報. 12. 127-135 (1992)
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[Publications] H.,MATSUMURA,M.,NAKATSUKASA & H.,ISHIDA: "Comparative study of crown cusp areas in the upper and lower molars of African apes." Bull.Natn.Sci.Mus.,Tokyo. D-18. 1-15 (1992)
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[Publications] S.MATSU'URA,M.KONDO F.AZIZ,N.WATANABE & T.SHIBASAKI: "Note on a new find of hominid fossil tibia from Sambungmacan,Java." Pub.Geol.Res.Develop.Centre,Bandung,Paleontol.Ser.7. 18-27 (1992)
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[Publications] S.MATSU'URA,F.AZIZ & N.WATANABE: "Probable chronological positions of two Additional mandible specimens of the Sangiran hominids." J.Antropl.Soc.Nippon. 100. 262- (1992)