1992 Fiscal Year Annual Research Report
桑条伐採後の発芽と地下部の内生生長物質の変化との関係に関する研究
Project/Area Number |
04454063
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
柳沢 幸男 信州大学, 繊維学部, 助教授 (70021160)
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Keywords | 桑の再発芽 / 根のサイトカイニン / ゼアチン(Z) / ゼアチンリボシド(ZR) / イソペンテニルアデノシン(IPA) |
Research Abstract |
本研究は水耕栽培の桑実生苗を用いて、新梢伐採時に残葉と残条処理を行い、その後の再生長と根のサイトカイニン含量の変化との関係を検討した。その結果は以下の通りである。 1.伐採各処理区のゼアチン(Z)含量は無伐採の対照区のそれより多く摘葉区(基部から35cmのところを伐採し、葉を切除する)は伐採区(基部伐採)より萌芽期に少なく、発芽期に多くなる傾向を示した。この傾向は主根より側根で顕著であった。残葉区(基部から35cmのところを伐採し、葉を5枚残す)のZ含量は対照区に近い値を示した。 2.各処理区のゼアチンリボシド(ZR)含量は Z含量とは反対に対照区のそれより少なくなり、摘葉区のZR含量が少なく、残葉区のそれが多くなる傾向を示した。 3.各処理区のイソペンテニルアデノシン(IPA)含量は ZとZRと異なり側根の方が主根のそれより多くなったが、ZRと同様に対照区のIPA含量より少なくなる傾向を示した。また、Z含量と同様に萌芽期の側根のIPA含量は摘葉区が少なく、発芽期には伐採区のそれが少なくなったが、残葉区ではこの両区より多くなった。 4.各処理区のイソペンテニルアデニン(2iP)含量は極微量であった。 以上の結果は、伐採時の残存器官の程度によりサイトカイニンの合成の促進、合成されたサイトカイニンの地上部への転流の大小、などを示し、これらの効果は根の損傷の多少を示していると考えられる。
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Research Products
(1 results)