1992 Fiscal Year Annual Research Report
Rj_2Rj_4遺伝子保有ダイズ品種の根粒菌株選択機構の解明と根粒菌接種技術への応用
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04454067
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
石塚 潤爾 九州大学, 農学部, 教授 (20193336)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山川 武夫 九州大学, 農学部, 助手 (20220238)
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Keywords | Rj遺伝子 / ダイズ / 根粒形成 / 転換畑土壌 / 凝集反応 / IAA生産能 / セロタイプUSDA110 / 接種効果 |
Research Abstract |
Rj遺伝子を保有するダイズ品種は特定の生理的特性を有するダイズ根粒菌による根粒形成を抑制するのみならず、根粒形成において特定根粒菌株に対する選択性を示す。すなわち、Rj_2品種はRj_4品種で根粒形成しない菌株(C型)を、Rj_4品種で根粒形成しない菌株(B型)に対して選択性を示す。そこで、この両Rj遺伝子を保有するダイズではどの様な選択性を示すかを検討した。 Rj_2品種IAC-2とRj_4品種Hillを交配し、その後代から両遺伝子を保有する12系統を選抜した。これらの系統とIAC-2,Hillおよび非Rj品種を九州農試(筑後)転換畑土壌を充填したポットで栽培し、採取した根粒から根粒菌を分離、ダイズ根粒菌USDA110の抗血清による凝集反応、コロニーの形状、トリプトフアン添加培地におけるIAA生産能を調査した。その結果、Rj_2Rj_4系統からは、他の品種に比較して高率にセロタイプUSDA110の菌株が分離され、IAA生産能を示す菌は少なかった。 つぎに、これらのダイズを九大農場に播種、ダイズ根粒菌USDA110を接種、開花期に抜取り、根粒着生状況、根粒活性、分離根粒菌の抗血清USDA110に対する反応を調査し、また、莢伸長期にも同様な調査を実施した。開花期調査では、USDA110接種により窒素固定の相対エネルギー効率はほぼ全品種で上昇が認められたが、宿主の遺伝子型による差には一定の傾向は認められなかった。セロタイプUSDA110の菌の比率は主根根粒では90%前後、側根根粒での比率は60〜70%で、これも宿主遺伝子型による差異は明確でなかった。開花期の側根根粒の調査では、セロタイプUSDA110の菌の比率はいずれの遺伝子型でも低下したが、Rj_2Rj_4系統では低下が少ない傾向が認められ、USDA110接種効果のが他の遺伝子型品種より高くなる可能性が伺われた。
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[Publications] Ishizuka J., Kim S.D., Hussain A.K.M.A., and Yamakawa T.: "Soybean preference for Bradyrhizobium japonicum for nodulation.Isolation of Rj_2Rj_4-lines from the cross of soybean cvs. IAC-2(Rj_2)and Hill(Rj_4)." Soil Science and Plant Nutrition. 39. (1993)