1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454068
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川本 伸一 北海道大学, 農学部, 助手 (20169775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内藤 哲 北海道大学, 農学部, 助教授 (20164105)
石川 雅之 北海道大学, 農学部, 助手 (70192482)
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Keywords | アラビドプシス / プロトプラスト融合 / YACライブラリー / 植物染色体 / 染色体機能部位 |
Research Abstract |
将来の植物組変え技術に利用可能な人工染色体の構築を目指して、植物染色体機能部位単離法の開発を目的に本研究を行った。その結果、1、アラビドプシス巨大DNAの単離法を確立した。2、得られた巨大DNA断片をEco RIで部分で分解し、酵母人工染色体ベクター(pYAC誘導体)に挿入した後、酵母スフェロプラストに形質転換しライブラリー(挿入DNA断片長約200kb)を作製した。このような巨大なYACライブラリークローンを植物細胞に導入する方法は未だ報告がない。そこで、物理的せん断力を極力避け効率よく植物細胞ヘYACクローンを直接導入するために、まず酵母と植物細胞間のプロトプラスト融合による導入法確立を目指したモデル実験系の構築を行った。35Sプロモーターの下流に植物イントロンを挿入したβ-グルクロニダーゼ遺伝子(35S-IGUS遺伝子;酵母細胞中ではイントロンがスプライスされず従ってGUS活性は検出されないと予想される)を持つプラスミドに酵母での選択マーカーとしてURA3遺伝子、さらに2μoriを組込んだ酵母多コピープラスミドpIG-U-2μを作製した。本プラスミドをエレクトロポーレーション法によりアラビドプシスとタバコBY-2培養細胞のプロトプラストに導入したところ、両細胞共にGUS活性が検出され、特に前者で活性が高かった。一方酵母形質転換体細胞中でのGUS活性はバックグラウンドレベルであった。以上によりGUS活性を指標とした酵母と植物細胞のプロトプラスト融合をモニターする系が構築できた。この方法によるアラビドプシス培養細胞を用いた系で、pIG-U-2μを持つ酵母とのプロトプラスト融合におけるGUS活性が、対照プロトプラストYEp24を持つ酵母を用いた場合に比べ再現性よく明かに高い値を示した。従って現在この系を用いて、酵母と植物細胞のプロトプラスト融合条件の最適化を検討中である。
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