1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454091
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 勝義 東北大学, 農学部, 教授 (50005617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 計介 東北大学, 農学部, 助手 (80240662)
尾定 誠 東北大学, 農学部, 助手 (30177208)
松谷 武成 東北大学, 農学部, 助教授 (90134030)
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Keywords | マガキ / リゾチーム / レクチン / フィブロネクチン |
Research Abstract |
1.マガキ組織抽出物の抗菌物質 マガキにおけるリゾチーム活性は、グラム陽性菌であるMicrococcus lysodeikticusを指標に、消化盲のう抽出液で検出された。さらにリゾチーム機能しないグラム陰性菌であるAeromonas hydrophilaに対しても、この抽出液は抗菌活性を示し、リゾチーム以外の抗菌物質の存在が示唆された。キチンカラム等によるリゾチームの精製は、収量がごくわずかで分子特性を知るには至らなかった。特に、性成熟過程の個体ではその活性が消失し、リゾチーム活性の消長のメカニズムの解明とともに、細菌に対する初期防御に関わる抗菌物質の全体像を明らかにしたい。 2.マギカ血リンパレクチンの性状 血リンパレクチンのうち、SRBC(ヒツジ赤血球)とERBC(ウマ赤血球)に凝集性を示すレクチンと、HRBC(ヒトA型赤血球)に凝集性を示すレクチンがグリコールキチンカラム、ヘパリンカラムによって分離された。また、SRBC、ERBC凝集レクチンにはCa^<2+>依存型、非依存型の2種類のレクチン存在した。すなわち、マガキ血リンパレクチンには少なくとも3種類が存在することが明らかとなり、それぞれの単離と生理機能を解明する予定である。 3.マガキ血リンパフィブロネクチンの精製と性質 マガキ血リンパから、ブタ皮膚とマガキ閉殻節由来のコラーゲンおよびヘパリンをリガンドとする2段階アフィニティークロマトグラフィーを用いて210kDaの単一のサブユニットからなる420kDaのフィブロネクチンを精製した。この蛋白はBHK細胞に対する伸展活性を示し、合成RGDペプチドによってそれは完全に阻害されたことからも、この蛋白がフィブロネクチンであることが確認された。一方、このマガキフィブロネクチンはヒト、ニジマスフィブロネクチンと交差性はなく、機能の類似性は高いものの、分子構造をかなり異にするものと考えられた。現在、外部創傷時の動態、機能発現解析のためのELISA法の確立を試みている。
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