1992 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454093
|
Research Institution | 東京水産大学 |
Principal Investigator |
村野 正昭 東京水産大学, 水産学部, 教授 (90013565)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬川 進 東京水産大学, 水産学部, 助手 (30092589)
丸山 隆 東京水産大学, 水産学部, 助手 (60106755)
石丸 隆 東京水産大学, 水産学部, 助教授 (90114371)
大森 信 東京水産大学, 水産学部, 教授 (10013567)
|
Keywords | 東京湾 / 浮遊生物 / 生態系 / 環境 |
Research Abstract |
東京湾の水質環境と浮遊生物生態系の関係をバクテリアからクラゲまでの全てのサイズクラスでとらえ、従来ばらばらに研究されてきたこれらの生物の分布と季節変動を包括的に調査することを目的として、研究練習船「青鷹丸」および実習艇「ひよどり」による毎月の調査を実施した.とくに、5月〜7月にかけては、通常の観測の他に、青鷹丸によりほぼ毎週東京湾全域における表層連続観測を行い、水温、塩分、クロロフィルの測定を行うと同時に各種プランクトンの採集を行った.毎月の各層観測の結果とあわせて東京湾の物理学的環境とクロロフィルの分布変動の短期変動について解析した.また、調査期間中カイアシ類の非常に濃密なパッチ状分布を発見した。カイアシ類は、通常昼間には底層付近に多く分布することが知られており、新知見であると同時に今後の分布調査において留意すべき問題である.栄養塩の分布に関しては、近年、各地の内湾でリンと窒素の比が小さくなる傾向が報告され、植物プランクトンの成長を制限する因子はリンであると考えられているが、東京湾では底層無酸素化にともなうリンの底質からの溶出が顕著であり、必ずしもリンが制限要因とはなっていないことが分かった. 本年度は、東京湾内全域にアカクラゲ、オキクラゲ等の比較的外洋に分布の中心をもつクラゲ類が長期間出現し、一方ミズクラゲの分布密度は低く、例年とは大きく異なった。今後他の生物群集、環境条件等とについても解析し、比較する予定である.
|