1992 Fiscal Year Annual Research Report
16SrRNAの種および属に特異的な配列を利用する海洋細菌の現場での検出と計数
Project/Area Number |
04454097
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 潮 広島大学, 生物生産学部, 教授 (30101083)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 民次 広島大学, 生物生産学部, 講師 (40240105)
松田 治 広島大学, 生物生産学部, 教授 (60034469)
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Keywords | 海洋細菌 / ハイブリダイゼーション / DNAプローブ / 16SrRNA / 化学発光 |
Research Abstract |
本研究では,海洋細菌の特定の種および属に特異的な16SrRNAの配列部分に相補的な非放射性DNAプローブを利用し、メンブレンフィルター上に捕集した海水中の細菌の中の特定の細菌とのハイブリダイセーションを行い、個々の細菌を直接に検出・計数する方法を完成することを目的とする。検出には、最も鋭敏なDNA検出法として最近開発された化学発光法を用いる。本年度はRNAの塩基配列の解析が行われたヴィブリオ科細菌のうち、ヴィブリオ・ハーヴェイ(Vibrio harveyi)を試験菌株として用い、プローブはタネハシ株式会社に依頼して合成したいわゆるユニバーサルプローブを用いた。培養をメンブレンフィルター上に付着し、漉紙に浸したフォルマリン溶液上およびメタノール上で固定、脱脂し、ついで、プローブと細菌RNAとのハイブリダイゼーションを行い、さらに、フォスファターゼを結合させ、発光基質を加えて発光させ、これをフィルムに感光させた。 感度良く検出するために検討すべき条件のうち、本年度はメンブレンの材質、ハイブリダイゼーションの反応条件、光化学反応の条件について検討した。その結果メンブレンについてはハイボンドN^+、バイオダインなどの製品が良好な菌株RNAの保持能力をもつことが分かった。また、細菌を固定後、メタノールで処理することにより、プローブおよびフォスファターゼ、ストレプトアビジンに対して細胞膜が透過性になり、上記の方法で細菌が検出できることが分った。反応の際のプローブの濃度についても検討し、最適の濃度を定めた。検出の感度については、まだ、10^3以上の細菌の存在が必要な段階であり、感度を高めるための条件の改良が必要である。来年度は感度の向上の検討と、ヴィブリオ属および、その中の個々の種に特徴的なプローブを用いての検出の実験を行う。
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