1993 Fiscal Year Annual Research Report
鶏の卵胞成長に伴う性ステロイド合成酵素遺伝子の転写調節機構
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04454106
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
島田 清司 名古屋大学, 農学部, 教授 (40065579)
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Keywords | ニワトリ / 卵胞成長 / 顆粒膜細胞 / 卵胞膜細胞 / 17αヒドロキシラーゼmRNA / プロゲステロン / 遺伝子発現 / アロマターゼmRNA |
Research Abstract |
成熟したニワトリの卵胞において、産生され生理作用をもつ主要なステロイドホルモンはプロゲステロン(P)、テストステロン(T)及びエストラジオール(E)である。その産生機序について三細胞[顆粒膜(G)細胞、内卵胞膜(Ti)細胞及び外卵胞膜(Tx)細胞]説が提唱されている。本研究でも各細胞層のステロイドホルモン量をRIAで定量して主としてG細胞はPを産生、Ti細胞はTを産生、Tx細胞はEを産生することを明らかにした。さらに産卵鶏卵巣における卵胞成長に伴い、Eは小卵胞では多量に、大卵胞では少量、Tは小卵胞でも産生するがとくに中大卵胞で多く、Pは大細胞(排卵前1〜2日)でのみ大量に産生することが明らかとなった。各細胞層からtotal RNAを抽出し、スロットブロットハイブリダイゼーションによりP450_<17>αヒドロキシラーゼ(P450_<17>α)mRNA量及びP450アロマターゼ(P450_<arom>)mRNA量を定量した結果、G細胞層ではいずれのP450酵素mRNA量も極めて少ないのに対し、Ti細胞層では小卵胞から排卵前2日の大卵胞まではP450_<17>αが発現しているが、P450_<arom>はほとんど発現していないことが判明した。対照的にTx細胞層ではどのサイズの卵胞でもP450_<17>αは発現しないのに対し、P450_<arom>は排卵前3日卵胞までは発現しているが、より大卵胞では発現は停止した。以上の結果より、各卵胞膜層における卵胞成長に伴う性ステロイド産生の変動(三細胞説)は、各ステロイド産生にかかわるP450_<17>α及びP450_<arom>という酵素活性による調節を受けるが、その直接原因は両酵素の遺伝子発現調節によることが明らかとなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Ohkubo,T.,Tanaka,M.,Nakashima,K.,Shimada,K.: "High-level expression of biologically activechicken prolactin in E.coli." Comparative Biochemistry & Physiology. 105A. 123-128 (1993)
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[Publications] Uchiyama,M.,Saito,N.and Shimada,K.: "Pituitary and plasma arginine vasotocin levels in the lamprey,Lamperta japonica" Comparative Biochemistry & Physiology. 107A. 23-26 (1994)
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[Publications] K,Shimada.,Ohkubo,T.,Saito,N.,Talbot,R.: "Avian Endocrinology" Journal of Endocrinology Ltd., 13 (1993)
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[Publications] N,Saito.,Shimada,K.and Koike,T.I.: "Avian Endocrinology" Journal of Endocrinology Ltd., 8 (1993)