1994 Fiscal Year Annual Research Report
遅発性感染症、スクレイピ-における宿主蛋白PrPの機能の解析
Project/Area Number |
04454113
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Research Institution | Obihiro University of agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
品川 森一 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (00001537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 基広 帯広畜産大学, 畜産学部, 助手 (30219216)
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Keywords | スクレイピ- / PrP遺伝子 / 羊PrP遺伝子型 / 導入遺伝子発現細胞 / 病原体複製 |
Research Abstract |
伝達性海綿状脳症の感染性はPrPの発現が高い中枢神経系に高く、感染性アミロイドの蓄積も起きる。牛PrP遺伝子を導入したL細胞、L-BPrP3は牛PrPを安定に発現している。このため一般の細胞に比べスクレイピ-病原体の複製増殖が起きるのではないかと期待して、細胞への感染実験をマウス及び羊の病原体を用いて行った。しかし対照として用いたL細胞との間に特に差が認められづ、牛PrP遺伝子の影響はなかった。変異遺伝子を用いた成果は未だ感染試験が終わっていないため除いた。羊PrP遺伝子型とスクレイピ-感受性の関連を検討する経過で、発症あるいは感染性アミロイドの形成・蓄積にはPrP以外の遺伝子の関与がある可能性が示唆され、我々の用いた線維芽細胞由来のL-BPrP3はなにか未知の因子が欠けているのではないかと推定するに至り、新たに神経系の細胞に羊PrP遺伝子を高度に発現する細胞を樹立した。 PrPの解析を行うに当たって、羊或はうしPrPとだけ反応する免疫抗体、マウスPrPとだけ反応する抗体あるいは両者と反応する抗体が必要となり、これら要求を満たす抗体の作製と、高感度にPrPを検出する方法も開発した。 一方、PrPのプロモーターの解析を行い、予想された第一エクソンの上流領域以外に、第一エクソンと第二エクソンの間のイントロン領域にもin vitroでプロモーター活性があることを見いだした。 羊PrP遺伝子を扱う上で、用いる羊PrPのアミノ酸配列からの遺伝子型を知る必要があった。一方我々はスクレイピ-の発症と羊DNAのPrP遺伝子を含む制限酵素断片の長さの多様性の関係を調べ、英国などの報告と必ずしも一致しないことに気付き、PrPのアミノ酸配列からの遺伝子型を検討する必要性に迫られ、我が国の羊のPrP遺伝子型を調べ新たな遺伝子型を見いだした。また同時にスクレイピ-発症との関係をも検討した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Onodera,A.,et al.: "Survey of natural scrapie in Japan:Analysis of RFLP types of--." J.Vet.Med.Sci.56. 627-631 (1994)
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[Publications] Muramatsu,Y.,et al.: "The significance of PrP detection for the diagnosis of -----." Ann.N.Y.Acad.Sci.724. 347-349 (1994)
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[Publications] 品川森一: "動物のprion disease" 神経内科. 41. 23-28 (1994)