1992 Fiscal Year Annual Research Report
内分泌細胞の機能分担ーアクチビン・ホリスタチン相互作用ー
Project/Area Number |
04454114
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
林 良博 東京大学, 農学部, 教授 (90092303)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 憲一郎 東京大学, 農学部, 教授 (50111480)
塩田 邦郎 東京大学, 農学部, 助教授 (80196352)
九郎丸 正道 東京大学, 農学部, 助教授 (00148636)
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Keywords | アクチビン / ホリスタチン / 内分泌細胞 / ランゲルハンス島 / 卵巣 / 精巣 |
Research Abstract |
特異抗体の作製は、アクチビンについて2種の合成ペプチドをB鎖のC末端とアクティブサイトに対して作製し、それに対するポリクローナル抗体を作製することによって完成された。またホリスタチンに対しても2種の合成ペプチドに対するポリクローナル抗体を作製した。 ラットの膵臓ランゲルハンス島における免疫組織学的研究ーホリスタチンと抗インシュリン抗体の二重染色をおこなった結果、ホリスタチンはランゲルハンス島のB細胞に局在することが明らかとなった。一方、抗グルカゴン抗体との二重染色の結果、アクチビンB鎖かA細胞に局在していることが示唆された。 ストレプトゾトシン(STZ)によって実験的糖尿病をラットに誘発させた結果、抗インシュリン抗体に対する反応はSTZ投与後2週間維持されたが、抗ホリスタチン反応は24時間以内に消失した。これらの結果から、アクチビンとその結合タンパク質であるホリスタチンは、ランゲルハンス島細胞の分化・増殖だけではなく、インシュリンやグルカゴンなどの分泌調節に関与している可能性が示唆された。 精巣および卵巣におけるアクチビンとホリスタチンの局在は、同様に免疫組織化学的手法によって精査された。興味深いことに、アクチビンは精細胞、とくに精母細胞の細胞質に局在しており、ホリスタチンはその核に局在していることが示され、精子発生における両物質の関与が示唆された。一方、卵巣においては、アクチビン・ホリスタチンとも課粒膜細胞に強い反応がみられ、排卵直前までその反応性が持続した。この結果は、卵の発育に対しアクチビン・ホリスタチンの相互作用が大きくかかわっていることを示すものと考えられる。
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