1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454122
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森 裕司 東京大学, 農学部, 助教授 (40157871)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武内 ゆかり 東京大学, 農学部, 助手 (10240730)
塩田 邦郎 東京大学, 農学部, 助教授 (80196352)
西原 真杉 東京大学, 農学部, 助教授 (90145673)
|
Keywords | フェロモン / GnRH / 多ニューロン発射活動 / 微小透析法 / 神経伝達物質 / 生殖内分泌 / 視床下部 / シバヤギ |
Research Abstract |
本年度の主要な研究成果は、以下のとおりである。 (1)シバヤギ鋤鼻器へのカテーテル装着法の開発 フェロモン活性を持つ生物材料からフェロモン分子を単離・同定するには、精製の各段階で生物活性をモニターすることが不可欠であるが、生物検定に必要な量の試料を確保することは必ずしも容易ではない。仮に、鋤鼻器(フェロモン受容器)内に慢性カテーテルを留置して、スクリーニングの対象となる物質を直接に微量投与できれば、研究効率の飛躍的な改善が期待される。そこで特殊なカテーテルを切歯管より鋤鼻器に挿入してその一端を留置し、他端を鼻腔経由で体外に誘導する手法を開発し、実用化に向けての基礎的検討を行なった。次年度には、この方法を用いて精製分画を微量投与し、行動あるいは中枢神経活動に及ぼす影響を詳細に解析する予定である。 (2)中枢神経系の電気活動を指標としたフェロモン活性評価法の検討 GnRHニューロンの脈動的な神経分泌を反映する視床下部の多ニューロン発射活動(MUA)を記録する電極を留置した卵巣摘除シバヤギに、エストロジェンの皮下カプセルを埋めこんだ上で長日条件を負荷し、まずGnRHパルスジェネレーターの活動を抑制した。これに雄ヤギの体毛の匂いを嗅がしたところ、直ちにパルス頻度の上昇が観察され、本実験モデルが精製分画のフェロモン活性評価に有効であることを確認した。 (3)アンドロジェン依存性の匂い物質の検索 正常雄および去勢雄シバヤギ頭部および頸部から毛を採取し、有機溶媒で抽出後、高速液体クロマトグラフを用いた分析を行なったところ、中性分画より、雄に共通に存在するが去勢により消失する2つの明瞭なピークを検出した。次年度はさらにガスクロマトグラフ質量分析を用いて解析を進める予定である。 (4)微小透析法による脳内神経伝達物質の動態解析法の実用化 マイクロダイアリシス法を用いて、覚醒無拘束状態のシバヤギから視索前野の細胞外液濃度を連続回収し、高感度HPLC測定法を用いてカテコラミンとアミノ酸濃度の経時的変動を解析する方法を確立した。次年度は、研究モデルを用いてフェロモンの中枢作用機構について検討を行なう予定である。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Matsuoka M,Mori Y,Hoshino K,Ichikawa M: "Social environment affects synaptic structure in the accessory olfactory bulb of adult hamster" Neuroscience Research. (in press). (1994)
-
[Publications] Zuccolilli GO,Hamada T,Ichikawa M,Mori Y: "Gonadotropin-releasing hormone(GnRH)neuron in the forebrain of male Shiba goat" Journal of Reproduction and Development.(in press). (1994)
-
[Publications] Ichikawa M,Matsuoka M,Mori Y: "Effect of differential rearing on the structure of perforated synapses in the granule cell layer of the rat's accessory olfactory bulb." Neuroscience Research. 18. 19-25 (1993)
-
[Publications] Ito K,Tanaka T,Mori Y: "Opioid peptidergic control of GnRH pulse generator activity in ovariectomized goat." Neuroendocrinology. 57. 634-639 (1993)
-
[Publications] Manabe Y,Yamaguchi M,Tanaka T,Mori Y: "Estradiol-induced GnRH surge in ovariectomized goats." Journal of Reproduction and Development. 39. 91-96 (1993)
-
[Publications] Ichikawa M,Matsuoka M,Mori Y: "Effect of differential rearing on synapses and soma size in rat madial amy-gdaloid nucleus." Synapse. 13. 50-56 (1993)
-
[Publications] Nishihara M,Mori Y,Yoo MJ,Takahashi M: "Methods in Neurosciences" Academic Press(in press), (1994)