1993 Fiscal Year Annual Research Report
共焦点レーザー顕微鏡と電顕組織化学を用いた末梢神経再生芽の形成・伸長機構の解析
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04454126
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
井出 千束 神戸大学, 医学部, 教授 (70010080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉木 紀彦 神戸大学, 医学部, 教授 (10030941)
溝口 明 神戸大学, 医学部, 講師 (90181916)
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Keywords | 神経再生 / 再生軸索 / 接着因子 / N-カドヘリン / インテグリン / 小胞関連蛋白 / 蛋白キナーゼC / 成長円錐 |
Research Abstract |
本年度は主に接着因子について研究した。再生軸索が伸びる場合にシュワン細胞表面に接着するか、基底膜に接着するかまたは軸索同士で接着するかでその接着因子を異にしていると考えられる。 まず最初にN-カドヘリンの局在について調べた。N-カドヘリンの抗体は京大理学部の竹市教授より供与された。N-カドヘリンは無髄神経における軸索とシュワン細胞の接着に関与しているようである。再生神経では軸策-軸索、および軸索-シュワン細胞の接着面に発現されているが、軸索-基底膜の接着面には見られない。さらにN-カドヘリンを含む小胞が再生軸索の成長円錐の中にあることを認めている。この事実はN-カドヘリンを持つ表面膜が小胞によって供給される、つまりN-カドヘリン陽性の小胞が表面膜と融合することによってN-カドヘリンが表面膜に付加されるという考えを支持するものと考えられる。一方再生軸索の成長円錐が基底膜と接着する場合は、インテグリンが接着因子として作用しているものと考えられるが、インテグリンのサブタイプのうちα_1β_1について調べたところ成長円錐の表面に局在することを示唆する結果を得ている。これは培養細胞について行なったもので、現在in vivoでの再生軸索と基底膜との接着面におけるインテグリンα_1β_1の局在を調べている。 その他小胞関連蛋白であるシナプトフィジン、シナプトタグミン、シナプシンIなど、また蛋白キナーゼCのいろいろなサブタイプの局在について詳しく検索し、きれいな結果を得ている。 これらの機能物質は再生芽の成長円錐に特に高濃度に見られ、成長円錐の小胞に強陽性の傾向にある。すなわち小胞関連蛋白をはじめとして蛋白キナーゼCも成長円錐の伸長に重要な役割を果しているものと考えられる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Arakawa,M.,他: "Ultrastructural localization of protein kinase C β-subspecies in the axon terminal of rat neuromuscular junction." Neuroscience Research. 16. 125-130 (1993)
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[Publications] Tomatsuri,M.,他: "Sprout formation at nodes of Ranvier of crush-injured peripheral nerves." Restorative Neurology and Neuroscience. 5. 275-282 (1993)
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[Publications] Okajima,S.,他: "Synaptophysin immunocytochemistry in the regenerating sprouts from the nodes of Ranvier in injured rat sciatic nerve." Brain Research. 631. 133-136 (1993)