1992 Fiscal Year Annual Research Report
系統的マウス全胚培養法の確立と形態形成の解析及び発生工学への応用
Project/Area Number |
04454127
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
田中 修 島根医科大学, 医学部, 教授 (50025615)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
帯刀 禮子 島根医科大学, 医学部, 助手 (10112129)
八田 稔久 島根医科大学, 医学部, 助手 (20238025)
大谷 浩 島根医科大学, 医学部, 助教授 (20160533)
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Keywords | マウス全胚培養法 / 形態形成 / 発生工学 / 酸素透過性支持体 / 子宮外胎仔発生法 |
Research Abstract |
2細胞期以降の培養において常用しているmodified Whitten's mediumを本研究にけるmediumの基本とし、その再検討を行った。結果としては、着床前まではこのmediumで問題ないと考えられた。現在このmediumを用い、酸素透過性支持体を胎盤素材として使用した際の、胚の発生に関して検討を続けている。用いた酸素透過性支持体はニトロセルローズフィルターおよび酸素透過性の異なる3種類のコンタクトレンズ[メニコンO2、O232およびEX:メニコン(株)より提供]にて比較検討した。8細胞期より胚をそれぞれの支持体上で培養したが、ニトロセルローズフィルターを用いた場合、その光透過性の低さから、倒立顕微鏡下において、発生の進行状況を観察・評価するのが困難であり、必ずしも適当であるとは言えなかった。また、コンタクトレンズに関しては、発生の観察・評価という点に関しては非常に有用であった。しかし、現在のところ例数が少なく、従来より用いられているプラスチック皿で静置培養したものの間に、明らかな差を見いだすには到っておらず今後更に追加・検討する必要がある。なお、これまでのところ、培養条件は、気相は5%CO2、5%O2および90%N2で、温度37℃、湿度100%である。 初期胎仔の直視観察あるいは直接的な処置後、発生を継続させる子宮切開/子宮外胎仔発生法の開発に関しては、先端の研磨を行ったφ8μm以下のマイクロピペットを使用することで、妊娠11日以降の胎仔に関しては、羊膜を通して直接胎仔頭顔部に侵襲を加えても80%以上が妊娠を継続し、かつそれらの頂殿長および体重が子宮内で発生を続けた同時期の胎仔と比較して、有意な差が認められなかった。また特に妊娠11、12日という早期において、羊膜を穿通して胎仔に処置を施した場合の生存率は、これまでの報告と比較して飛躍的に成績のよいものであった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 帯刀 禮子: "マウス初期胚の培養と染色体異常の解析" 組織培養. 3. 82-86 (1992)
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[Publications] R.Tatewaki: "Mouse embryo culture for chromosome analysis." Congenital Anomalies. 32. 31-41 (1992)
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[Publications] A.Abeliovich: "On somatic recombination in the central nervous system of transgenic mice" Science. 257. 404-408 (1992)
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[Publications] 橋本 龍樹: "高濃度重水が抗体産生細胞(H35)内小器官に及ぼす影響の電顕的研究" 重水素同位体研究会報. 2. 5-6 (1992)
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[Publications] 田中 修: "杉山武敏(編):分子病理学 胚工学と発生異常" 文光堂,