1992 Fiscal Year Annual Research Report
内皮細胞由来過分極因子による血管変化津筋細胞内カルシウム濃度の変化
Project/Area Number |
04454150
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鈴木 光 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (80037548)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 裕康 名古屋市立大学, 医学部, 研究員
三輪 恭子 名古屋市立大学, 医学部, 研究員
山本 喜通 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (80145755)
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Keywords | 内皮細胞由来過分極因子 / 血管平滑筋 / カルシウム |
Research Abstract |
本年度の研究進展状況は次の様である; (1)血管平滑筋単離標本の作製:酵素処理による単離平滑筋標本の作製はおおむね出来る様になったが、酵素処理時間や温度等まだ解決すべき問題も残されている。 (2)培養内皮細胞の作製:ウシ胸部大動脈から内皮細胞を採取し、継代培養しながら量産し、それらの細胞をビーズ上に増殖させ、実験に供している。作製した内皮細胞が薬物刺激に応答して内皮細胞由来過分極因子(EDHF)を産生するか否かを検討したところ、6〜10代にわたって培養した内皮細胞標本にEDHF産生能が保持されていることがわかった(後述)。 (3)培養内皮細胞のEDHF産生能の検討:内皮細胞を培養すると膜に在る化学受容器の多くが失われるといわれているので、我々の作製した培養細胞の平滑筋作用物質産生能についてブラジキニン(BK)について検討した。実験は、モルモット頚動脈の輪状標本において、BKを含む生理塩溶液を直接に、あるいは培養内皮細胞を潅流させた後に投与し、筋の収縮弛緩反応から推定した。その結果、培養細胞はBKを作用させるとEDRFを産生遊離させ、その作用はニトロアルギニンなどのEDRF産生抑制薬でも半分位にしか減弱されなかったので、BKは同時にEDHFも遊離すると考えた。 (4)EDHFによる細胞内カルシウム濃度の変化:EDHFを遊離させるのにBKを用いたところ、単離平滑筋細胞が収縮し、カルシウムによる蛍光の観察に大きく影響することが判明した。そこでBKで収縮しない培養平滑筋細胞をもちいた研究を推進中である。
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[Publications] 鈴木,光: "内皮細胞由来平滑筋過分極因子" Journal of Smooth Muscle Research. 28. 225-227 (1992)
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[Publications] Suzuki,H.,Chen,G. and Yamamoto,Y.: "Endothelium-derived hyperpolarizing factor(EDHF)" Japanese Circulation Journal. 56. 170-174 (1992)
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[Publications] 鈴木 光: "内皮細胞由来血管弛緩因子" Therapeutic Research. 14. (1993)
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[Publications] 鈴木 光・山本 喜通、章 国良: "EDHF" 現代医療. 25. (1993)