1993 Fiscal Year Annual Research Report
増殖抑制に働くG蛋白の生理機能とそれを介するシグナル伝達系の解明
Project/Area Number |
04454154
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
井川 洋二 東京医科歯科大学, 医学部生化学, 教授 (40085618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北山 仁志 理化学研究所, ライフサイエンス筑波研究センター, 研究員 (30231286)
山村 康子 東京医科歯科大学, 医学部・生化学, 助手 (50146809)
佐藤 真悟 東京医科歯科大学, 医学部・生化学, 助手 (10143562)
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Keywords | 癌抑制遺伝子 / 小分子量G蛋白質 / シグナル伝達 / エリスロポエチン受容体 / IL-2受容体 / Krev-1蛋白の局在 / 新たなRas機能 |
Research Abstract |
Ras及びKrev-1蛋白の新たな生理機能を解明するため、エリスロポエチン(EPO)によって増殖が維持されない、EPO受容体遺伝子を導入したマウスT細胞系(CTLL-2/EPOR)に、Kras及びKrev-1遺伝子を導入したところ、前者はEPO依存性増殖を誘導した。すすなわち、BAF-BO3細胞にEPORcDNAを導入すると低親和性EPORが出現し、EPOが1nM以上の濃度でないと増殖しない。これに対し、EPORcDNAを導入したCTLL-2細胞にさらに活性化Krasを導入した2つのクローンC/ERas4、C/ERas6の細胞はEPOの生理的濃度に近い、20pMのEPOにも反応して増生し、いずれにも高親和性EPORが発現している。 そこで、これら2つのクローンの細胞において、^<125>I-EPOの結合を見たところ、Kd値2-3nMの低親和性EPORに加えて、Kd値150-160pMの高親和性EPORが観察され、それを誘導するというKrasの新たな機能が証明された。 上記EPO処理後のC/ERas4細胞を抗EPOR抗体で沈降させてSDS PAGEで解析したところ、EPORのバンドの他に、160K Daの特異的なバンドがみられ、EPORシグナル伝達に関与する新たな蛋白である可能性が示唆された。この蛋白は、抗燐酸化チロシン抗体でも検証され、現在その遺伝子を単離中である。 昨年度から引き続き行っているKrev-1特異抗体によるウエスタンブロット解析では、脊髄、大脳皮質、海馬、小脳、嗅球の内、Krev-1蛋白質は脊髄に多く(〜2倍)、ras蛋白質はほぼ同量存在した。両蛋白質とも出生時脊髄に存在し、後根神経節よりは髄内に多く、5日令ラットの腰髄神経終末ではその大部分がシナプス形質膜に局在することを明らかにした。
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