1993 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸および脂肪酸誘導体の代謝調節機構に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
04454163
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
田辺 忠 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 部長 (60025624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 俊太郎 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室員 (50222229)
横山 知永子 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室員 (90200914)
宮田 篤郎 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室員 (60183969)
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Keywords | 脂肪酸 / アセチルCoAカルボキシラーゼ / アラキドン酸 / プロスタグランジン / シクロオキシゲナーゼ / トロンボキサン |
Research Abstract |
脂肪酸の過剰は、循環器病の直接、間接の成因となっている。また、脂肪酸同族体であるプロスタノイドは、炎症、血栓形成あるいは血圧調節において強い生理作用を示し、循環器の生理と病態に密接に関連している。このため、本研究においては、脂肪酸とその誘導体であるプロスタノイドのうち特にトロンボキサン(TX)の生合成調節機構を調べる。脂肪酸生合成は、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)を介して調節されている。また、アラキドン酸からTXA_2が生成する反応は、アラキドン酸からプロスタグランジン(PG)H_2の生成を行うシクロオキシナーゼ(またはPGエンドペルオキシド合成酵素、COX)と、PGH_2の異性化によりTXA_2の生成を行うTX合成酵素の2つの酵素が関与する。 本年度は(1)ACCに関して、すでにクローニングに成功している7.3kbのニワトリ肝臓ACCcDNAをプローブに約10kbあるヒトACCcDNAをヒト肝細胞ランブラリーからクローニングし、約2/3の塩基配列を決定した。(2)最近見いだされたCOXアイソザイム、COX-2のcDNAクローニング及び遺伝子の単離を行い、約10kbの全塩基配列を決定した。現在転写調節領域の特定を行っている。(3)現在のCOX-1,2およびTXのcDNAをプローブにヒト単球系培養細胞U937を用いて3つの酵素の転写調節機構の調べ、LPSによるCOX-2mRNAの強い誘導を見いだした。(4)COX-1,2の遺伝子の染色体上の連鎖をFISH法により調べ、それぞれ9q32-33.3および1q25.2-25.3に存在し、連鎖していないことが分かった。(5)TX合成酵素に関しては、ヒト酵素TX合成酵素cDNAをプローブに、遺伝子のクローニングを行っている。今後、転写開始点、転写調節部位の決定および遺伝子マッピングを行う。
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[Publications] 藤博幸 他2名: "Molecular evolution of biotin-dependent enzymes" Eur.J.Biochem.215. 687-696 (1993)
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[Publications] 田辺忠 他11名: "Molecular cloning and expression of human thromboxane Synthase" J.Lipid Mediators. 6. 139-144 (1993)
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[Publications] 鈴木啓史 他7名: "Site-directed mutagenesis analysis of arachidonate 12-lipoxygenase of porcine leukocytes" Biochem.Biophys.Acta. (印刷中). (1994)
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[Publications] 小坂哲也 他7名: "Characterization of the gene(PTGS2)for human prostaglandin-endoperoxide synthase 2" Eur.J.Biochem.(印刷中). (1994)
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[Publications] 刀禰佳典 他4名: "Abundant expression of thromboxane synthase in rat macrophages" FEBS Lett.(印刷中). (1994)
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[Publications] 宮田篤郎 他2名: "トロンボキサン合成酵素と新しい誘導型シクロオキシゲナーゼ" 実験医学. 11. 826-829 (1993)