1994 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪酸および脂肪酸誘導体の代謝調節機構に関する分子生物学的研究
Project/Area Number |
04454163
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Research Institution | National Cardiovascular Center Research Institute |
Principal Investigator |
田辺 忠 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 部長 (60025624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原 俊太郎 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室員 (50222229)
井上 裕康 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室長 (40183743)
横山 知永子 国立循環器病センター研究所, 薬理部, 室長 (90200914)
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Keywords | 脂肪酸 / 代謝 / アラキドン酸 / プロスタグランジン / ジクロオキシゲナーゼ / プロスタサイクリン / トロンボキサン / アセチルCoAカルボキシラーゼ |
Research Abstract |
脂肪酸とその誘導体の代謝調節機構を解明する目的で、脂肪酸生合成律速酵素アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)と、アラキドン酸から作られ循環器の生理に重要なトロンボキサンとプロスタサイクリンの生合成に関与するシクロオキシゲナーゼ(COX)、トロンボキサン(TX)合成酵素、プロスタサイクリン(PGI)合成酵素に関する分子生物学的研究を行い、以下の成果を得た。1.これまで、不明であったヒトACCの遺伝子構造を明らかにするため、培養ヒト肝細胞HepG2から作製したcDNAライブラリーのスクリーニングとPCRを用いて、cDNAの蛋白質翻訳領域(約7kb)のほぼ90%の塩基配列を決定した。現在、全構造の決定を試みている。2.炎症への関与が注目されている新アイソザイムCOX2の発現調節機構を明らかにするため、ヒト酵素遺伝子の全塩基配列を決定し、さらにU937細胞を用いて遺伝子のプロモーター領域の解析を含め発現調節の解析を行った。ヒトCOX2遺伝子の大きさは8.3kbで、1番染色体に存在し、10個のエキソンからから構成されていた。また、LPSによるCOX2の劇的な誘導には、cAMP応答配列の役割が重要であった。3.TX合成酵素の遺伝子クローニングした結果、ヒト酵素の遺伝子は、100kb以上の大きさを持ち、13個のエキソンからなり、7番染色体に存在することが明らかになった。4.PGI合成酵素のcDNAクローニングを行うため、酵素をウシ動脈により精製し部分アミノ酸配列を決定した。これを基に培養内皮細胞からcDNAをクローニングし、500残基のアミノ酸から成るウシ酵素の1次構造を決定した。次いで、ヒト酵素の構造を決定し、現在、遺伝子構造の解析を進めている。
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