1992 Fiscal Year Annual Research Report
ポジトロンエミッショントモグラフィーを用いた神経伝達物質遊離の無侵襲的定量解析
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04454176
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
渡邊 恭良 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 部長 (40144399)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 修 放射線医学総合研究所, 臨床研究部, 主任研究官 (50159969)
尾上 浩隆 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 研究員 (80214196)
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Keywords | ポジトロンエミッショントモグラフィー / 神経伝達物質 / ^<11>C-ドーパ(DOPA) / ドーパミン遊離 / テトラハイドロバイオプテリン / ^<11>C-N-メチルスピペロン / ドーパミンD_2受容体 / アカゲザル |
Research Abstract |
1.L-[^<11>C]DOPAを用いて、PETとマイクロダイアリシス法を併用した実験を行い、ラット・サルともに、細胞外液中に存在する放射活性化合物は、[^<11>C]ホモバニリン酸や[^<11>C]ジヒドロキシフェニル酢酸等のドーパミン代謝物であることが明らかになり、これらが経時的に増加すること、並びに、L-[^<11>C]DOPA投与後40分で取り出したサル線条体組織中の主な放射活性化合物が[^<11>C]ドーパミンであること、の2点から、このPET法による放射活性のクリアランス値をもって、無侵襲的にin vivoにおけるドーパミン遊離速度を求めることが可能であることが判明した。 2.この方法を我々が最近ドーパミン遊離を促進することを明らかにしたテトラハイドロバイオプテリンの投与により検証したところ、テトラハイドロバイオプテリンの静脈内投与により、L-[^<11>C]DOPAのサル線条体からのクリアランス値がコントロールの2倍程度に増えることが判明した。 3.更に、ドーパミン遊離促進が確立したこの系において、ドーパミンD_2受容体のアンタゴニストであるN-[^<11>C]メチルスピペロンを用いて同様のPET研究を行ったところ、テトラハイドロバイオプテリンの投与により、N-[^<11>C]メチルスピペロンのin vivo結合が低下した。これにより、内在性のドーパミン遊離が、受容体の結合速度をも変化させていることが理解され、この方法は、ある程度、内在性のドーパミン遊離を測定するために使えることが明らかになった。
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