1992 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト下垂体細胞の機能分化におけるpit-1蛋白発現の意義に関する免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
04454183
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
長村 義之 東海大学, 医学部, 教授 (10100992)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹腰 進 東海大学, 医学部, 助手 (70216878)
佐藤 慎吉 東海大学, 医学部, 講師 (80119677)
堤 寛 東海大学, 医学部, 助教授 (80138643)
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Keywords | 下垂体腺腫過形成 / factor growth hormone releasing(GRF) / トランスジェニックマウス / pit-1遺伝子 / 成長ホルモン / アクロメガリー / プロラクチン / 甲状腺刺激ホルモン |
Research Abstract |
下垂体前葉細胞の機能分化における転写促進因子pit-1の役割を明らかにするのを目的とする本研究の初年度は、(1)抗pit-1抗体の検討、作製(2)ヒト下垂体腺腫、ヒトGRFトランスジェニックマウス(TgM)の下垂体腺腫におけるpit-1の免疫組織化学的検出などが主体となった。 (1)抗pit-1抗体の検討、作製 まず、現在まで唯一の抗体であるRosenfeld博士(南カルフォルニア大学)の抗ラットpit-1抗体を用いた免疫組織学的染色の検討を行った。ラット下垂体を用いた場合、パラフォルムアレデヒド(PFA)液による固定が、凍結切片、パラフィン切片共に最良であった。細胞内で核に選択的に染色された細胞を陽性と判定した。成熟ラットでは、SIMMONSらの結果を支持するものであった。 本年度後半に、ヒトPit-1蛋白の、POU特異シークエンスの中でアミノ酸15個(KVRRI KLGYT QTNVC)を合成しポリクローナル抗体を作製した。EIAでの検定で特異抗体が確認された。この抗体を用い免疫組織化学的染色を施行中である。 (2)ヒト下垂体腺腫、ヒトGRFTgM下垂体腺腫におけるpit-1 ヒト下垂体腺腫では、Ronsenfeld博士の抗体により、TSH産生腺腫、GH産生腺腫においてpit-1蛋白の局在の頻度が他の腺腫に比し高かく、これらの腫瘍の機能分化に於けるpit-1蛋白の関与が示唆された。10カ月雄TgMの下垂体では、GH細胞の過形成の他、GH,PRL,TSHβが陽性となる腺腫が認められた。この腺腫細胞ではpit-1蛋白が強陽性となり腺腫の機能分化におけるpit-1蛋白の関与が示唆された。現在、このhyperplasia-adenoma sequenceにおけるpit-1の関与につき検討中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Osamura,K.Oda,H.Utsunomiya,K.Inada,S.Umemura,etc.: "Immunohistochemical expression of PIT-1 protein in pituitary glands of human GRF transgenic miceits relationship with hormonal expressions" Endocrine Journal.
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[Publications] R.Y.Osamura,M.Murakoshi,R.Inada,T.Horiuchi,K.Watanabe: "Biological aspects of pituitary tumors induced by synthetic salmon calcitonin(TX-CT) in sprague-dawley rats." Acta Pathologica Japonica. 42(6). 401-407 (1992)
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[Publications] J.Itoh,R.Y.Osamura,K.Watanabe: "Subcellular visualization of light microscopic specimens by laser scanning microscopy and computer analysis:A new application of image analysis" The Journal of Histochemistry and Cytochemistry. 40(7). 955-967 (1992)
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[Publications] 長村 義之 他: "ヒトGRFトランスジェニックマウスにおける下垂体の組織細胞学的変化" 病理と臨床. 10(9). 994-995 (1992)
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[Publications] 佐野 寿昭 長村 義之: "ヒト下垂体腺腫の機能病理" 内分泌学の進歩. 9. 20-34 (1991)
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[Publications] 長村 義之: "病理組織診断における電子顕微鏡の有用性" 病理と臨床. 10. 264-269 (1992)