1992 Fiscal Year Annual Research Report
自己免疫疾患モデルB/WF1マウスの自己抗原T細胞エピトープの解析
Project/Area Number |
04454209
|
Research Institution | 佐賀医科大学 |
Principal Investigator |
木本 雅夫 佐賀医科大学, 医学部, 教授 (40153225)
|
Keywords | T細胞クローン / 自己反応性 / ハプロタイプ混合クラスII分子 / 抗DNA抗体 |
Research Abstract |
B/WF1マウス由来のKLH反応性T細胞クローンを確立した.種々の抗原提供細胞を用いて特異性を解析し,自己反応性T細胞クローンを樹立した.このT細胞クローンがSLE様の病態を起こすか否かを,T細胞クローンを病気が発症していない週令の若いB/WF1マウスに細胞移入して,抗DNA抗体産生を指標として解析した.その結果,いくつかの自己反応性T細胞が,抗DNA抗体の産生を誘導することが明らかになった.また,T細胞クローンが,invitroにおいて抗DNA抗体の産生を誘導する能力を有しているか否かを,B/WF1マウス由来のB細胞と共に培養し,培養上清中の抗DNA抗体産生を解析したところ,IgMクラスの抗DNA抗体の産生が誘導された.以上の結果は,B/WF1マウス由来の自己反応性T細胞クローンがinvivo,in vitroにおいて抗DNA抗体産生を誘導する能力を有していることを示している.この自己反応性T細胞クローンの拘束特異性を抗体阻止実験により解析すると,すべてのクローンはA_β^z/A_α^dに拘束されていることがわかった.現在この自己反応性T細胞クローンおよびその認識対象となる抗原の解析を行なっている. 一方,B/WF1マウスに於けるハプロタイプ混合クラスII分子の存在を,モノクローナル抗体を使用した2次元電気泳動法により解析したところ,ハプロタイプ混合クラス2分子の存在は認められなかった.T細胞クローンを使用した解析から,A_β^z/A_α^d分子がB/WF1マウスに存在することは明らかであるので,この結果は,この分子の量が通常のクラスII分子に比較して非常に少ないことを示している.
|
-
[Publications] Takashima,H.: "Characterization of T cell tolerance to hepatitis B Virus(HBV) antigen in transgenic mice." Immunolgy. 75. 398-405 (1992)
-
[Publications] Muraguchi,A.: "Expression of the CD2 molecule on human B lymphoid progenitors." Int.Immunol.4. 841-850 (1992)
-
[Publications] Miyake,K.: "Requirement of VLA-4 and VLA-5 integrins for lymphoma cell binding to and migration beneath stromal cells in culture." J.Cell Biol.119. 653-662 (1992)
-
[Publications] Ichigi,Y.: "Generation of cells with morphological and antigenic properties of microglia from cloned EBV-transformed lymphoid progenitor cells derived from human fetal liver." Cell.Immunol.(1993)
-
[Publications] Gotho,Y.: "Mixed haplotype Abz/Aad class 2 molecule in(NZB×NZW)F1 mice detected by T cell clones." J.Immunol.(1993)
-
[Publications] Matsuo,T.: "Crosslinking of B cell-receptor related MB-1 molecule nduces signal transmission through tyrosine kinase pathway in early B lineage cells." J.Immunol.(1993)
-
[Publications] 内藤 恵子: "クラスIMHC分子への抗原ペプチドの会合" 臨床免疫. 24. 1468-1475 (1992)
-
[Publications] 後藤 祐大: "細胞工学ハンドブック Tリンパ球の抗原刺激による株化" 羊土社, 6 (1992)
-
[Publications] 木本 雅夫: "現代免疫学 クローン化T細胞" 医学書院, 8 (1992)