1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
04454226
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Research Institution | TOHO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
豊川 裕之 東邦大学, 医学部, 教授 (70010006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶山 祥子 東邦大学, 医療短期大学, 教授 (10152654)
松井 研一 東邦大学, 医学部, 助手 (30266978)
西川 浩昭 東邦大学, 医学部, 助手 (30208160)
熊倉 伸宏 東邦大学, 医学部, 教授 (60134524)
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Keywords | 微小環境調整効果 / 音刺激 / 質問票調査 / THI / YG性格検査 / 分散分析 |
Research Abstract |
昨年度(平成5年度)の検討を「探索的」であるとして、今年度は「検証的」な研究を行った。すなわち、昨年度の検討の結果得られたさまざまな結果を、事前に明確に仮説として提示した上で、厳密なクロスオーバー法を用いて今回の検討を行った。方法は、昨年と同様に、ヘッドフォンを志願した63名の女子短大生に装着してもらい、1)音刺激負荷なし(Control)、2)音楽負荷、3)ホワイトノイズ(以下WNとする)負荷の環境下で、複数の質問票調査(YG性格検査、THI)を2週間以上の実験間隔をおいて3回施行した。なお、被検者は無作為に各群に割り付け、主として分散分析を用いて評価した。 その結果、THIの130問の質問への回答により得られた16項目の健康指標のうち、日常において音楽をあまり聞かない被験者の場合に、心身症傾向を示すと考えられる指標や攻撃性の指標が、音刺激による影響を受けることが示唆された。他のTHIについては、本年度の検討で影響を受ける可能性が示された項目(虚構性)もあったが総じて影響はなかった。YGについても、強い音刺激の影響は認められなかった。一般に繰り返しの影響の方が大きく、昨年度と同様、交互作用も認められた。しかし、日頃音楽を聞いていない群では、YGでの支配性、劣等感、あるいはTHIでの攻撃性などの項目で、音刺激の影響が示唆された。勉強中に音楽を流さない被験者も、同様に音刺激の影響を受ける傾向がみられた。特にWNの影響が大きいようであった。このように一部の項目では統計学的には有意な差を認めたが、その差の大きさ自体は小さく、多重性等を考慮すると、環境が質問表調査の回答に及ぼす影響は微小なものであり、質問表のデータにはロバストネス(頑健性)が認められた。
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