1993 Fiscal Year Annual Research Report
半導体産業における有機アルシン類の生体影響に関する研究
Project/Area Number |
04454227
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Research Institution | ST.MARIANNA UNIVERSITY SCHOOL OF MEDICINE |
Principal Investigator |
山村 行夫 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (40081658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 啓子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助手 (90197137)
山内 博 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (90081661)
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Keywords | トリメチルアルシン / トリエチルアルシン / トリスジメチルアミノアルシン / 半導体 / 急性毒性 / 慢性毒性 / 溶血毒 / 生物学的モニタリング |
Research Abstract |
平成4年度の研究成果を踏まえて、本年度は主にTriethylarsine(TEAs)について代謝、排泄、毒性に関する種々の検討を行ない、次のような結果を得た。 TEAsとその代謝産物となるヒ素の測定法に関する検討 TEAsとその代謝産物となるヒ素の測定法は、超低温捕集-還元気化-原子吸光法、GC/MS法、高速液体クロマトグラフィー-ICP法を検討した結果、各測定法とも応用可能となった。 TEAsの代謝産物と推定されるヒ素の標準品のうち、ジエチル化ヒ素は合成して使用が可能となった。しかしながら、モノエチル化ヒ素の高純度標準品の合成が間に合わず、本年度はTEAsの代謝産物の確認作業は定性分析にとどまった。 TEAsの代謝 TEAs75mg/kg BW(LD_<50>量の1/10量)を一回皮下投与して、尿中TEAs代謝産物を検討した。その結果、ジエチル化ヒ素と無機ヒ素が検出され、また、未確定であるが、モノエチル化ヒ素の存在を示唆する結果を得た。 TEAsの急性および亜急性暴露における溶血性 TEAs750mg/kg BW(LD_<50>量)を一回皮下投与およびTEAs75mg/kg BWを10日間連続投与後の溶血について検討した。溶血開始点、溶血終了点、溶血幅等の指標は対象群との間に変化が見られず、この物質の溶血性は認められなかった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Y.Yamamura et al.: "Toxicity and metabolism of alkylarsine" Environmental Health Perspective. (in press). (1994)
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[Publications] 山村行夫他: "ひ素化合物による健康障害" 産業医学レビュー. 2. 1-22 (1993)
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[Publications] H.Yamauchi et al.: "Toxicity and metabolism of inorganic and organic arsenical" Advances in Environmental Sciences and Technology. (1994)
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[Publications] H.Yamauchi et al.: "Biological indicator of III-V semiconductor exposure/toxicity" Hazard Assessment and Control Technology in Semiconductor Manufacturing(ACGIH). 11. 109-120 (1993)
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[Publications] 山村行夫、山内 博: "砒素化合物の最近のトピックス" 労働の科学. 48. 17-21 (1993)
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[Publications] 山内 博: "総合食品安全事典 第4章 食品の加工と保存-ヒ素ミルク事件" 産業調査会 事典出版センター, (1994)
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[Publications] 高橋 啓子: "Toxicology Today-中毒学から生体防御の科学へ-「ヒ素」" 金芳堂(印刷中), (1994)